津軽地方の小学生の修学旅行先といえば、一部の例外はあるかもしれないが、道南エリアと近隣が定番でなかろうか。函館山から眼下を見下ろす。五稜郭タワーで土方歳三の人生を知る。円形にカットされたマトン肉でジンギスカン。最近は川下りリゾートも人気だ▼ところが、昨今の新型コロナウイルス禍がこの定番プランにも影響を与えた。極力安全を確保しつつ、どのような体験を提供できるかは難題だ▼結局、娘の通う学校は旅行先を岩手県内に変更した。著名ホテルの美食を堪能し、県南で奥州藤原氏の史跡を見学。三陸では東日本大震災について学んだ▼あの当時、彼ら・彼女らは1歳。被災者の語りで、記憶の片隅にも残っていない事実に触れたそうだ。重い内容だが、机上ではできない「学を修める」点で、この上ない経験といえる▼コロナ禍で残念な方向に変容した学校行事もあるが、修学旅行先の変更に関しては、形骸化を打破し新たな学びの視点を導入できた点でクリーンヒットと思う。知恵を絞った学校関係者や業者に敬意を表する。