火は恐ろしい。人の生活を豊かにしてくれる一方、ほんの少しの油断が命取りとなる。幼少時、親から「火遊びは駄目」とよく言い含められたものだ▼最近では栃木県足利市で大規模な山火事が発生した。一時は火が民家近くにまで迫ったが、幸いにも人命や住宅への被害はなく、発生から9日目でようやく鎮圧された▼県のまとめによると、県内で昨年一年間に発生した山火事の件数は前年比14件減の29件だった。例年、春先に集中する山火事。自然現象の落雷で発生することもあるが、その大部分は人的要因による▼折しも先日、2013年に米国アリゾナ州で実際に起きた巨大山火事を題材にした映画「オンリー・ザ・ブレイブ」を鑑賞した。消防士たちの奮闘を描いたもので、山火事の地上消火がどれだけ困難かが分かる良作だった▼事前知識を入れずに映画を最後まで見てほしい。現場で山火事に立ち向かう消防士が見る光景とはどんなものか。小さな火種でも山を丸ごとのみ込む力がある。「火事あとの火の用心」では手遅れなのだ。