新型コロナウイルスの影響で軒並み中止となった祭りやイベント。楽しみにしていた桜祭りもお預けとなり、今年の春がいつもより物足りなかったことは否めない。人は失って初めてその大切さを知ると言うが、まさしくその通り。青森は季節のイベントに恵まれた地域なのだと実感した▼本県を代表する夏祭り「青森ねぶた祭」が中止となった青森市では、地元の青年会議所がねぶた塗り絵を企画した▼インターネット経由で原画をダウンロードでき、塗り終わった後はSNS投稿で作品を多くの人と共有できる―というもので、外出しなくてもねぶたに親しめる取り組みだ。塗り絵の原画は、同会議所のねぶたを制作しているねぶた師が担当。プロの絵に色を付けられるまたとない機会でもある▼「ねぶたのない年だが、ねぶたへの興味や、青森市に住む誇りを見いだしてほしい」。取材時、関係者がそう熱い思いを口にした▼青森の熱量がぎゅっと詰まったねぶた・ねぷたのような情熱をそこに見た。長い冬を耐え忍び、短い夏を謳歌(おうか)する文化が育んだ不撓(ふとう)不屈の精神。青森がまた一つ好きになった。