1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災から27年が経過した。内陸で発生した直下型地震で、神戸市などで震度7を観測。死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人、住宅約64万棟が損壊するという甚大な被害をもたらした。
 亡くなられた方々を悼みつつ、震災の記憶や思い、そこで得た教訓を引き継いでいかなければならない。
 震度7は観測史上初めてで、この震災を契機に、さまざまな防災、復旧・復興対策が見直された。例えば、死者の死因の8割以上が家屋の倒壊などによる圧迫死だったことから、耐震の重要性がクローズアップされた。耐震基準が見直され、耐震診断や耐震改修のための支援措置が設けられ、災害に強いまちづくりが進められてきた、と言えるだろう。
 初動体制や情報収集の在り方、地方公共団体間などの応援の仕組み、救援物資の受け入れなどにも課題が残った。全国から駆け付けたボランティアが活躍したことも印象的だったが、殺到する申し込みに対応できない現場もあり、受け付けや業務の割り振りを担う役割の重要性が指摘された。被災地で活動したボランティアは地震発生直後から約13カ月で約140万人に上り、95年は日本の「ボランティア元年」と呼ばれるように。その後は災害のたびに被災地でボランティアがきめ細やかな住民ニーズに応じて活躍し、大きな役割を果たしているのは周知の通りだ。
 11年には東日本大震災があり、ここ数年を振り返っても16年の熊本地震、17年の九州北部豪雨や18年、20年の7月豪雨など、大規模災害が毎年のように発生し、その都度防災対策が見直されてきている。まだまだ課題はあるだろうが、地方公共団体や公共機関の支援要請や応援の仕組み、ボランティアへの対応、外国人や女性にも配慮した避難所運営の手法など、さまざまな対策が着実に前進してきていることは間違いない。
 住民が個々に防災意識を高めることも重要だ。近年は災害が多発しており、もはやいつ身近に起こるのか分からない。16日未明にも南太平洋のトンガ諸島付近で起きた海底火山噴火の影響で、全国規模の津波警報・注意報が発令されたばかりだ。阪神・淡路大震災も発生は午前5時46分という厳しい時間だったが、未明や早朝の避難指示や避難勧告に迅速な対応ができるかどうかは、日ごろからの備え、情報収集に左右されると思う。今回は幸いにして大きな被害はなかったが、こうしたタイミングで自らの防災対策や緊急時に適切な判断ができるかどうかを確認し、防災意識を高めておくことが重要だ。
 17日は各地で阪神・淡路大震災の追悼集会が開かれ、多くの人が犠牲者を悼んで手を合わせた。一方で震災を知らない若い世代も増えてきている。当時の記憶を風化させず、次の災害に備えるためにも、得られた教訓を伝える取り組みを続けたい。