弘前大学地域創生本部ボランティアセンターが、学生ボランティアの状況を可視化できるようポイント制度を導入するという。学生のボランティアへの参加を促すことなどが狙いという。ボランティアに対するニーズがさまざまな分野で高まっている中、参加者の増加につながることを期待したい。
 李永俊センター長によると、ボランティアに関心を持つ学生は一定数いるが、実際の活動には必ずしも結び付いていないのが現状という。今回導入したポイント制度は、このような状況を打開することを狙ったもの。学生は1時間活動するごとに1ポイントを付与され、在学中に100ポイント以上を獲得すると表彰される仕組みだ。
 ポイントによって学生がどのくらいボランティアに携わっているか一目で分かるため、本人のモチベーション向上につながることを期待しているほか、就職活動でのアピール効果にもつなげたい考えという。ボランティアは無償で行うからこそボランティアであるのだが、あえてそこにポイントを付与するという発想が面白い。
 そこまでして、弘大が学生のボランティアを促進したい理由があるはずだ。同センターはポイント制度を導入した狙いの一つとして、学生がボランティアを通じて地域の課題を解決する能力を高めることを挙げていた。この点がまさに真の狙いなのではないだろうか。
 大学の最大の存在意義は多様な人材を育成できることだ。もちろん、大学は学内のカリキュラムに沿って学生を育てることを基本としている。しかし、ボランティアを通じてしか学べないこともたくさんあるだろう。だからこそ、弘大には地域創生本部ボランティアセンターがあるのではないか。
 ただ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、ボランティアもさまざま制限を受けるようになっている。しかし、同時に新たな形も生み出されている。同センターは東日本大震災以降、岩手県の野田村を支援し続けており、先日はビデオ会議システム「Zoom」を使って同村と弘前市をつなぎ、交流会を開いた。これも新たな形のボランティアだ。
 同センターに登録する学生たちはこれまでもさまざまなボランティアに取り組み、地域社会に貢献してきた。若者たちの発想は柔軟で斬新だ。その柔軟さと斬新さは社会がコロナ禍に苦しむ今こそ、多くの人たちに求められていることなのではないだろうか。
 同センターが導入したポイント制度が契機となり、学生たちがこれまで以上にボランティアに熱心に取り組むようになることを期待したい。学生にボランティアを促進する狙いが課題解決能力の向上にあるとすれば、社会がコロナ禍に苦しむ今こそ大いに促進すべきではないか。