青森労働局が発表した4月の有効求人倍率が1・00倍となり、約4年前の2016年の水準まで落ち込んだ。新型コロナウイルスの影響だ。5月はさらに地域経済、雇用への悪影響が強まっており、1倍を割り込む可能性が高まっている。
 同局によると、求人が著しく減少しているという。主要産業の多くが新型コロナの影響を受け、外出の自粛が広がって客入りが減った卸売・小売業は前年同月比37・6%の減、製造業も食料品製造などがイベントや祭りの中止で打撃を受け同34・4%減。建設業も資材の納入遅れなどで工事が進まず、同23・0%減と大きく落ち込んだ。全体では新規求人数(季節調整値)は7601人となり、前月比16・2%の大幅減。新規求人倍率は1・36倍で、同0・22ポイントも下がった。ここ数年にわたり、求職者の「売り手市場」が続いてきた県内の労働情勢はここから転換期を迎えることになりそうだ。
 懸念されるのは、決して4月が底ではないことだ。本県では3月に最初の感染が明らかになって以降、送別会や各種行事、イベントを取りやめる動きが出るなど、県民の間に警戒感が広がった。4月16日には政府が全国に緊急事態宣言を拡大し、県内でも遊興施設や集会所、スポーツ施設などを対象に大型連休期間の4月29日から5月6日まで休業要請が出され、地域経済は一層厳しい状況に。事業者からは現状の雇用を維持するのも厳しいという声が上がり、5月になるとこらえ切れずに倒産という事例も出ている。
 直近の発表では、新型コロナの影響による解雇者は見込みも含め212人。宿泊業生活関連サービス業飲食、製造、小売業などで、破産が判明した青森市のホテル、5月末で閉館した八戸市の温泉浴場宿泊施設の大量解雇が影響した。
 今後も事業閉鎖などが発生する可能性があり、採用を控える動きは続くとみられる。雇用への影響がどこまで広がっていくのか、注視していく必要がある。
 県は緊急事態宣言の全面解除を受け、県境をまたぐ移動の自粛やイベントなどの開催制限を1日から段階的に緩和している。観光については県内から徐々に再開とし、コンサートや展示会開催は参加人数の上限を設定、徐々に拡大する。すべての上限を撤廃、完全再開とするのは8月をめどとする見通しだ。
 徐々に新型コロナ前の生活が戻ってくることを願いたいが、国内では第2波も警戒されている。適切な距離を保つなど、感染防止の「新しい生活様式」の徹底は売り上げの減少につながり、雇用の維持がますます厳しくなることも想定される。
 これまで、県や弘前市などが行った休職者らと農業現場をつなぐマッチング、青森市の会計年度任用職員としての緊急雇用など支援の動きが出ているが、引き続き雇用情勢を注視し、求められる施策を迅速に打ち出していくことが重要だ。