あまりにも極端である。北国・津軽の雪のことだ。本来なら寒さのピークとなるはずが、今月2日には弘前市で積雪ゼロを観測。暖冬少雪の長期予報通りと思っていたら1週間後は72時間降雪量が全国一となる80センチを記録。そして12、13日の日中は春の陽気―。これも地球温暖化がもたらす異常気象なのだろうか。
 今冬の少雪は、本来豪雪地帯である日本海側の各地で見られる。他県では1月に入っても営業できずに事業継続を断念したスキー場がある。先日、長野県野沢温泉村の野沢温泉スキー場で開かれた全国中学校スキー大会も、雪不足で距離リレーが中止された。
 弘前市では2日午後1時に積雪ゼロを観測。2月としては2007年2月28日以来、13年ぶりという。このまま春へと向かうかとも思えたが、8日から冬型の気圧配置が強まり、9日には大雪警報発令。積雪は80センチとなり、JR奥羽線、五能線、弘南鉄道弘南線、大鰐線で上下計36本が運休・区間運休となった。
 ようやく訪れた雪景色。弘前城雪燈籠まつり(8~11日)は、ちょうどこの降雪期間と重なり、訪れた25万人(まつり本部発表)の市民や観光客は、津軽の冬を満喫できたことだろう。雪の有無は市民生活に影響するが、祭りにとっては恵みとなったようだ。
 しかし、祭り閉幕を待ったかのように12日の県内は、最高気温が外ケ浜町蟹田の9・5度を最高に、鯵ケ沢町9・1度、弘前市8・9度―と3月中旬から4月上旬並みまで上昇。13日も弘前市で6・5度まで上がり、空から降ったのは雪ではなく雨。当然、雪解けも進んだ。
 気象庁の天気予報を見ると、津軽では16日から再び降雪がありそうだ。春の近づきを感じるものに「三寒四温」があるが、2月に入ってからの“厳冬”と“初春”の繰り返しは、この言葉の域を超えている。13日発表の東北地方週間予報(14~20日)によると、期間の初めの気温は平年よりかなり高く、以降は平年並みか高めとされている。直前にならないと精度は上がらないため、どの程度の雪になるかは分からないが、備えはしておきたい。
 大雪だと公共交通機関の乱れを考えた行動、気温が高まれば雪解けによる被害に気を付ける必要がある。特に雪崩や屋根雪の落下などは、命に関わる深刻な事態を招く。弘前市などは市内5消防署で貸し出している命綱などの利用や、2人以上での作業に加え、融雪による中小河川や用水路の氾濫にも注意するよう呼び掛けている。
 豪雪地帯の人ほど、少しでも春らしさを感じると気が緩みがちになる。しかし、まだ2月なのだ。本来なら厳冬期であることを忘れず、気を引き締めて例年とは違う、暖冬だからこその留意点を確認した上で慎重に対応したい。