時事通信の12月の世論調査で、安倍内閣の支持率が前月比7・9ポイント減の40・6%と急落、不支持率は5・9ポイント増の35・3%となった。首相主催の「桜を見る会」をめぐる問題や、相次ぐ閣僚の辞任が影響した。長期政権の緩みを指摘する声は強まる一方で、今後は政権のレームダック(死に体)化を避けるため、安倍晋三首相がいつ解散カードを切るかが焦点になる。
 まず「桜を見る会」の問題。首相が多数の後援会関係者を招いていたことに加え、首相夫人の推薦枠が存在したとの指摘もあり、公的行事の私物化との批判を集めた。首相自身、何年も続けるうちに招待者が膨らんだことを認め、「反省しなければならない」と語った。
 さらに前夜祭の不明朗な会計処理、招待者名簿の廃棄、マルチ商法を展開した会社の元会長への招待状送付などが明らかとなり、「適正な処理」を繰り返す菅義偉官房長官をはじめ、首相官邸には厳しい目が向けられている。
 また、「政治とカネ」に絡んで辞任した菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相は、それぞれ説明責任を果たさず、国会にも姿を見せていない。これには与野党問わず厳しい声が相次いでいる。
 野党はこぞって「“辞めたら説明しない”は政権の代名詞」と指摘する。政治家が責任を放棄することは、政治不信を増幅させ、若者の政治離れを加速させる。政治家は肝に銘じるべきだ。
 与党内では衆院解散の時期について、来年夏の東京五輪・パラリンピック後が有力視されている。自民党幹部は「当分(解散は)できないでしょう」と突き放す。ただ、別の同党関係者は「通常国会の冒頭で補正予算を成立させ、解散するのでは」と予想。オリンピック後だと自民党総裁任期、衆院任期とも残り約1年となり「追い込まれ感が強まる」と解説する。
 首相は連携を模索する野党の動向などを見極めながら、解散戦略を慎重に練るとみられる。臨時国会閉会を受けた9日の記者会見では「国民の信を問うべき時が来たと考えれば、解散・総選挙を断行することにちゅうちょはない」と言い切った。
 その国民はどう見ているのか。時事通信の世論調査では、通算の首相在職日数が歴代最長となった安倍政権について、長期化による「緩み」があると思うかを尋ねたところ、「ある」が68・6%に上った。実際、自民党内からは「疑惑や問題がわき出る典型的な政権末期状態」との声も漏れる。
 レームダック化を避けるためのはったりか、解散・総選挙で勝利し「信任を得た」と疑惑にふたをして憲法改正に突き進むのか。立憲民主党と国民民主党の合流協議も絡み、政局は今後、一気に緊迫化する可能性がある。