各自治体にとって、ごみの減量は大きな課題だ。県内40市町村の中でもごみの排出量が多い弘前市も減量に注力し、「3キリ(使いキリ、食べキリ、水キリ)運動」を呼び掛けているほか、地元の各分野の団体と協定を結ぶなど幅広い取り組みを展開している。
 同市を含む中南地区では、ごみ処理処理の広域化を目指す動きが進む。弘前、黒石、平川、大鰐、板柳、藤崎、田舎館、西目屋の8市町村による枠組みが決定。現在の弘前地区環境整備事務組合、黒石地区清掃施設組合が2026年度をめどに統合され、2施設でごみを処理する計画だ。
 コストを考えれば、処理の広域化は当然の選択だろう。ただ、施設の処理能力には限界があり、排出量を減らす住民側の努力もますます求められることになる。各家庭、各事業所の意識改革は急務であり、それぞれ当事者意識を持って取り組むことを願いたい。
 ごみは事業系と家庭系に大別され、事業系は家庭系より分別が徹底されていないとされる。このような状況を踏まえ、弘前市は分別が不徹底な事業系ごみについて、10月ごろから焼却施設で搬入を規制する方針を示している。事業所の自発的な取り組みで、分別が改善されていくことが望ましいのであろうが、機運を醸成させて確実に成果を上げるには、規制も場合によっては必要であろう。
 家庭系についても、まだまだ減量を促さなければならず、市民の啓発活動は今後も充実させなければならない。弘前市が公表した、ごみ減量・リサイクルに関する市民アンケートの結果によると、ごみ収集日の通知や分別情報を検索できるスマートフォン用アプリ「弘前市ごみ収集アプリ」を「知らなかった」との回答が84・5%にも上った。
 確かに、年配者を中心にスマホを所持せず、アプリを活用できない人たちもいるはずだが、アプリの認知度の低さは重く受け止めるべきなのではなかろうか。市にも周知に努めてもらいたい。
 家庭系ごみをめぐっては、減量するとともに国際的に貢献できる方法もある。例えば、衣類回収ボックスだ。回収された衣類は、東南アジアなどに届けられる仕組みになっている。市は15年4月から、市内数カ所に設置し、不要な衣類の提供を呼び掛けている。設置箇所、回収量は次第に増え、18年度は10カ所で計10万キロ弱に上った。
 このような状況を踏まえ、市は9月初め、ボックスを弘前大学と弘前学院大学にも設置する方針を示した。設置期間は10月中の1~2週間と限定されたものだが、若年層にも回収ボックスの存在を周知する意義は小さくない。
 ごみの減量は事業系、家庭系の両方で進められてこそ、成果が出るはず。各方面に理解と協力を改めて求めたい。