弘前市など津軽圏域14市町村が地元の観光振興に向け、司令塔組織となる「津軽圏域DMO(仮称)」を設立しようと動いている。今や観光は一大産業に成長し、地域活性化策の大きな柱。DMOの設立を津軽地方の豊かな観光資源をさらにアピールし、有効活用する大きな契機としたい。
 観光庁によると、DMOは「Destination Management/Marketing Organization」の頭文字の略。観光による地域づくりを行うかじ取り役とも言うべき法人で、地域資源を最大限活用して効果的かつ効率的に集客を図り、「稼げる」地域づくりを目指したものという。
 14市町村は、国が示す申請手続きの流れに従い、日本版DMO候補法人の登録を目指している。22日にはその機運を高めるため、弘前市内で「津軽広域観光ネクストステージミーティング」を開催。14市町村の首長らが一堂に会し、決意を新たにした。
 弘前市の櫻田宏市長は、津軽圏域DMOについて「14市町村の素晴らしい魅力を効果的に打ち出すために『本部』の機能を担うのがDMO。来年4月のスタートに向けて頑張りたい」と強い意欲を示した。
 DMOをめぐり櫻田市長は、戦略的にテーマを決めて、構成市町村が共通性を持ちながら知恵を絞り、戦術まで検討していくことができる組織であるべきとの考えを持っているようだ。
 確かに、津軽圏域の観光資源は豊かだ。春は弘前公園などの桜、夏は各地のねぷた、秋は紅葉、冬は雪が誘客に一役買っている。これらの他にもリンゴをはじめとする食べ物など、挙げれば切りがないくらいだ。
 ただ、これらの豊かな資源をより効果的にアピールして誘客につなげるには、相応の方法が求められる。各自治体はこれまでも自慢の資源をアピールし続けてきたし、それらを用いた地域振興に最大限努めてきた。ただ、それぞれの取り組みをうまく組み合わせたり、新たな演出を加えたりすることでより大きな効果を得ることができるのである。
 そこで必要となるのがDMOなのであろう。津軽圏域DMOは、各市町村で取り組みが不足していた観光に関するデータ収集や分析を行い、その結果に基づいてコンテンツを開発して戦略を練るといったことも視野に入れているという。観光庁が重視する科学的アプローチに合致したものでもあろう。
 観光も含めて地域振興をめぐっては、自治体間の連携の必要性が叫ばれ続けてきた。地域間の競争がますます激化する昨今、関係者たちは連携を従来以上に真剣に考えるべきではないか。津軽圏域DMOの設立がその契機となることを願っている。