県警のまとめによると、2017年の県内の特殊詐欺被害は認知件数56件、被害額約7200万円で、ともに前年より減少した。ただ、新たな手口が続々と登場し、被害が相次いでいる状況に変わりはない。油断せずに防止策をこれまで以上に徹底したい。
 認知件数は前年に比べて12件減少。被害額は1億3000万円余りも減った。被害額の大幅減少について、県警生活安全企画課は、金額に上限がある電子マネーを悪用した手口が増え、現金の手渡しや振り込みなどより被害額が少ないケースが目立ってきていることが一因ではないか―と分析している。
 詐欺の手口は多様化・巧妙化し続けている。新たな手口が、警察などの注意呼び掛けなどに伴って沈静化すると、また新たな手口が登場するという、いたちごっこが続く。このような状況を踏まえると、被害額の大幅減少も一時的なことで、さらに新たな手口が登場して急増する恐れは十分あろう。
 電子マネーも金額に上限があるとはいえ、油断はできない。全国では、9000万円近い還付金が配当されるとだまされた60代女性が、保証金の名目で数日にわたって電子マネー約300枚(約770万円分)を購入させられ、それらを使うための番号を犯人に知らせてしまったケースも見受けられる。
 電子マネーを悪用した手口について警察側は、幅広い年齢で被害に遭う恐れがあると警告している。実際、県内の全被害者の年齢を見ると、10代から80代までと幅広く、そのうち40代と50代が各11人で最多だった。従来は高齢者が被害に遭うケースが比較的多く見られたが、状況は次第に変化しており、電子マネーなどが絡む新たな手口が少なからず影響しているのではないだろうか。
 銀行などの口座に振り込ませるといった手口が主流だった時代は、被害の防止に向けて警察と金融機関が密接に連携。行員らが顧客の行動を不審に思った場合、金の使い道を尋ねるなどすることが定着した。近年はコンビニエンスストアでの決済を悪用した手口が増えており、被害の防止策を講じる上でコンビニ各社との連携が不可欠となっている。
 とりわけ、昨年夏以降、全国的にネット通販の商品購入代金などをコンビニ払いで行う「収納代行」を悪用する手口が急増しており、警察は今後も増える恐れがあると警戒を強めている。収納代行は全国で24時間いつでも決済でき、利便性が極めて高い。利用すれば一度に数十万円をだまし取ることも可能という。
 コンビニに設置されたマルチメディア端末を使った手口もあり、県内でも被害が確認されている。認知件数、被害額とも減少しているが、身近なところに危険は潜む―と改めて注意を払い、大切な財産を守りたい。