つがる市立図書館が開館から1周年を迎えた。大型商業施設のイオンモールつがる柏内に設置された同施設は、基幹産業の農業や郷土史料に特化したコーナーのほか、児童図書などを充実させ、蔵書数約8万冊でスタート。カフェも併設させるなど、幅広い年代に対応した図書館づくりが功を奏し、この1年間の入館者が30万人を数えるなど、好調な利用状況にある。市の知の拠点、市民の生涯学習の場としてのますますの発展を期待している。
 同図書館は、指定管理者制度を導入しており、案内カウンターには、自動貸出機を採用。タブレット端末を配備し、インターネット、データベース検索、デジタル教材として利用できるようにしている。5町村が合併した同市は郷土史料が豊富で、こうした強みを生かした郷土史料コーナーのほか、基幹産業の農業コーナー、縄文関連図書も充実させている。
 図書館本来の機能以外でユニークなのは、その立地や関連施設にあるだろう。図書館が入る大型商業施設のイオンモールつがる柏は、津軽地方でも有数の大規模ショッピングセンターであり、買い物客らでにぎわう。また入り口付近には「タリーズコーヒー」が併設され、ふた付きの飲み物を一部館内に持ち込めるなど従来の公設図書館にはない、利便性や使い勝手の良さを重視したコンセプトが同施設の特徴と言えるのではないか。
 人気は数字に表れている。入館者はわずか2カ月弱で10万人を達成。今年2月に年間目標の20万人に到達すると、7月17日には30万人を突破。1年間が経過した28日時点では31万793人となっている。年間目標を既に10万人以上上回る数字を残しているのは立派なものだ。
 図書館設置は、関連施設にも相乗効果をもたらしている。イオンモールつがる柏でも図書館オープン後の同モールへの来館者が設置前の年に比べ、年間で1割弱増えているという。買い物帰りに図書館に寄ったり、図書館に来たついでに買い物をしたりと、利用目的はさまざまだろうが、ともに「集客力のある」施設だけに相乗効果が生まれているのだろう。
 もちろん公設図書館である以上、単に利用者数が多ければ良いというものではない。つがる市に関連する文化・歴史などの資料収集や情報発信を行って同市の文化向上に寄与し、市民の文化活動を助ける役目が重要であることは間違いがない。
 ただ、インターネットの普及などにより、書籍類を手に取る機会が減少している現代にあって、紙の本にじかに触れることができ、さまざまな知識を総合的に得ることができる図書館の存在は非常に重要なものと言える。公設図書館としての機能をさらに充実させながら、誰もが気軽に訪れ、集い、親しまれる施設として続いていってもらいたい。