中学校卒業までの子ども1人当たり月1万3000円を支給する子ども手当法案が12日、衆院厚生労働委員会で可決された。高校授業料の実質無償化法案も同日、衆院文部科学委員会で可決された。
 両法案は、民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた主要施策を盛り込んだものだ。いずれも16日に衆院を通過する見込みで、参院での審議を経て成立すれば、民主党が「目玉」とした施策が実現することになる。
 子ども手当法案は2010年度の支給に限った内容だ。公明党が児童養護施設入所者への配慮など修正を要求し与党が一部を受け入れた。これに伴い民主、社民、公明の3党が支給対象になっていない入所者らに対する支援の検討などを付則に盛り込んだ修正案を共同提出し、可決した。
 政府は子ども手当の財源を全額国費で賄う方針だったが、10年度は暫定措置として「子ども手当の一部」という扱いで、現行の児童手当を存続させるため、地方自治体や事業主の負担が残ることになる。
 民主党はマニフェストで11年度以降に子ども手当の支給額倍増を掲げているが、その財源はどうなるのか、先行きは不透明だ。
 高校無償化法案は、公立校で授業料を徴収せず、私立高校生には世帯の所得に応じて、年11万8000円から23万7600円の就学支援金を助成するという内容。
 こちらも、施行3年後の見直し規定を加えた修正案を提出した上で、可決した。「高校に類する課程」を置く専修、各種学校も無償化の対象とすると規定したものの、具体的な対象は法案成立後に文部科学省令で定めることになり、中途半端なままだ。
 各種学校の扱いでは朝鮮学校を対象に含めるかが焦点なのだが、川端達夫文科相は12日の委員会で「(高校に類する課程の)評価項目やそれをどう確認するかを専門的に調査している」と述べるにとどめている。
 対象となる外国人学校の決定に関しても「一部4月に間に合わないこともあり得る」と説明するなど、不透明さが残っている。
 両案とも成立すれば、保護者にとってはありがたいことだ。高校無償化では本県のPTA関係者が参考人として意見陳述し、保護者の減収や失業で授業料が払えず退学せざるを得ない現状を報告した。そうした現状が少しでも改善されるなら歓迎すべきことだ。
 ただ、子ども手当や高校無償化が喫緊の課題なのかどうか。支持率が低下している政権のため、実績としてマニフェスト実現を急いでいるのではないか、そういううがった見方も一部にあるようだ。教育のための法案が政争の具になっている現状が残念だ。国民に分かりやすい議論を求めたい。