公費助成が受けられる定期予防接種でありながら、健康被害の報告から積極的な接種勧奨の中止措置が続いている子宮頸(けい)がんの予防ワクチン。接種率が低迷する中、平川市は6月、公費接種での機会を逃した女性に接種費用最大約5万円を助成する「キャッチアップ接種」を行うと発表した。全国初となる支援であり、医療関係者からは「全国に広がってほしい取り組み」と期待の声が上がる。
 予防ワクチンである「HPVワクチン」は、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスへの感染を予防するもので、原則6カ月の間に3回の接種が必要。同ウイルスへは一般に性行為で感染する。国は、12~16歳を対象に2013年4月から定期接種の対象としたが、接種後の体調不良の報告が相次いだことから、わずか2カ月後に積極的勧奨を差し控える措置が取られ、対象者へ個別通知がほどんどなされない状況が続いている。
 接種を自身の判断に委ねられている現状ではワクチンを接種する人は少なく、弘前市の延べ接種人数は、2018年度が50人、19年度は94人。接種は3回必要なため、実人数はより少ないとみられる。一方で20年度、対象者へ通知したところ、その人数は585人に大幅に増加した。
 弘前市と同様に接種率が低迷し「毎年度接種は1、2人にとどまっていた」という平川市。公費接種できることや対象であることを知らない可能性がある人や機会を逃した人は、3回の接種で約5万円もの費用負担が必要になることなどを受け、全国に先駆けてキャッチアップ接種を打ち出した。対象は市内に住所を置く17~19歳(02年4月2日~05年4月1日生まれ)の約360人。市は約2割に当たる70人程度の接種を見込み、約350万円を補正予算に計上した。
 7月上旬に対象者へお知らせを送付しており、すでに接種を受けられる医療機関などについての問い合わせが数件あるという。市子育て健康課母子保健係の小山功係長は「若い人に子宮頸がんが増えている中にあって、今回の事業は、接種を希望する人にとって経済的負担やがんリスクを軽減する一つの助けになればと思う」と話す。
 助成期間は来年3月末までのため、市は3回分すべての助成を受けられるよう希望者は9月末までに1回目の接種をするよう呼び掛けている。
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