岩手、宮城、福島の3県から10年にわたり被災者を受け入れてきた弘前市の社会福祉法人・弘前豊徳会は近年、国の災害特例解除を見据え、帰郷支援にも注力する。今年度は新型コロナウイルスの影響で支援活動が停滞しているが、被災者に寄り添う姿勢は変わらず、粘り強く活動を続けていく考えだ。
 「まさか新しい橋が架かるなんてびっくり。いつかこの橋を渡ってみたい」。2016年、宮城県気仙沼市の仮設住宅から同法人の介護施設「サンタハウス弘前」に移り住んだ千葉ツヤ子さん(89)は、故郷に開通したばかりの気仙沼湾横断橋(愛称・かなえおおはし)の写真を目にし、帰郷の思いを強くした。
 この橋は、国が震災の復興道路として整備を進める三陸沿岸道路の一部。震災から10年で被災地のハード整備はある程度進む一方、被災者のケアなどソフト面の支援は遅れが目立つ。千葉さんは約3年前から帰郷のチャンスをうかがうが、介護人材が不足する現地では施設整備が進まず、実現に至っていない。
 「元気なうちに1人でも多く帰してあげたい」。広域連携室長の宮本航大さん(42)は同施設で最期を迎える割合が増加傾向にあることも踏まえ、帰郷支援を急ぐ心境をそう語る。
【写真説明】気仙沼市への帰郷を望む千葉さん(右)と、入所者の帰郷支援に取り組む宮本さん

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