弘前大学医学部附属病院とむつ総合病院を高速通信回線で接続し、遠隔ロボットで手術する実証実験が始まった。遠隔地の患者をリアルタイムに直接手術することを目指した実験で、地域の医療現場で商用回線を使って行うのは国内初。手術支援ロボットによる遠隔手術の取り組みが実現すれば、地域医療格差や医師不足といった課題解決への一助になると期待される。
 全国的に外科医が減少傾向にある中、地域医療を守る観点から、どこの地域にいても外科手術を受けられる環境づくりの必要性が高まっている。遠隔手術は、患者の長距離移動に伴う体力的、経済的負担を避けて地元の病院で手術を受けられることから、患者の選択肢が増えるほか、若手外科医にとっても技術修練の場が広がり、地方医療現場での医師確保や外科医不足の改善にもつながる。遠隔手術システムを輸出することで、国際医療への貢献も期待できる。
 弘大などが行う遠隔ロボット支援手術の実証実験は今月21日~3月1日に実施。日本外科学会による「手術支援ロボットを用いた遠隔手術のガイドライン策定に向けた実証研究」の分担研究課題として行い、弘大医学研究科消化器外科学講座の袴田健一教授が分担研究主任を務める。
 実証実験では、弘大病院内の遠隔手術研究室に配置した操縦席からむつ総合病院内に設置したロボットアームを遠隔操作して、人工臓器を対象にした遠隔手術を行う。両施設間は商用高速通信ネットワークで接続。通信ネットワークの状態や伝送信号の圧縮・解凍装置の作動状況、手術ロボットの作動状況などについて評価し、遠隔手術に求められる要件を導きだす。2022年3月をめどに遠隔手術のガイドライン策定を目指す。
 実証実験で弘大側は、日常的にロボット手術を行う外科医、泌尿器科医、産婦人科医や現在修練中の若手外科医が操作。むつ病院側はロボットの作動状況を検証する。
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