北星交通(本社弘前市)の青森営業所(青森市)は、新型コロナウイルスの影響でレクリエーションや外出が制限された高齢者施設の利用者向けに、オンラインでツアー旅行を疑似体験してもらう新たなサービスを展開している。オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を利用し、同社の運転手がリモートで弘前市などの観光地を案内。タブレットなどの機材を介した会話のやり取りなどを通じて、施設利用者に旅行気分を味わってもらう取り組みで、タクシー業界の新たな営業戦略として注目されそうだ。
 同営業所の下山泰広所長によると、利用者を乗せる介護タクシーの業務で、施設側から、コロナ禍でレクリエーションや外出ができず利用者のストレス増加を懸念する声が聞かれたことを受け企画。約半年かけて準備を進め、今月1日から事業をスタートした。事業名は「オンラインタクシーツアーODEKAKE」。
 事前にパソコンや通信機器など機材を購入し、社員がカメラで観光地や車窓の映像などを収録。案内する運転手は、普段は同社の「観光ドライバー」として働いており、乗客に観光地を案内している。
 オンラインタクシーツアー利用者は、施設のテレビやスクリーンでズームの映像を視聴。ツアーは青森市内の施設を出発し、弘前城、岩木山神社、岩木山山頂を順に巡り、最後は龍飛崎に到着する設定。旅行者目線で弘前公園内を歩いたり登山をしたりする映像が流れ、移動の際は車窓の景色を楽しむことができ、実際の旅行気分を味わえるよう工夫した。最後の龍飛崎はライブ配信で現地を案内し、石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」を利用者が合唱して終わる。ツアーの時間は1時間だが、施設の要望に応じて短縮も可能という。
 ツアーは21年12月15日までで、初回の先着10組は無料で利用可能。その後は1回につき2万9800円の費用が掛かる。利用者の人数は10人程度が理想で、青森市内の施設利用者を対象としている。問い合わせは青森営業所(電話017-739-3713)へ。
【写真説明】映像を使って事業を説明する下山所長

※詳しくは本紙紙面をご覧ください。