県警本部は今年、ベテラン警官の経験や卓越した技能を若い世代に引き継いでもらいたいと山岳救助技能指導官を設置し、第1号として黒石警察署平賀交番所長の佐藤高正警部を任命した。佐藤警部は自衛隊レンジャー訓練を受け、県警初の特務班として山岳救助の現場に携わったベテラン警察官。本県では今年、山菜・キノコ採りの遭難が認知件数全体の過半数を占めており、山岳救助の現場に長く関わってきた佐藤警部に、入山する際の注意点を聞いた。
 県内の山岳遭難は今年1月から10月末現在で79件84人と、昨年同時期を23件27人上回り、過去5年間で最多。認知件数の過半数47件は山菜取りやキノコ採りだ。佐藤警部は「登山者は登山道を歩くため、けがや滑落してもある程度、場所は分かるが、山菜採りの場合は道がないところに入っていくため、探すのは難しくなる」と危険な点を挙げ、「事前に家族らに行き先を告げること。複数人で入山、行動すれば、遭難しても早く気付いてもらえる」と入山者に注意喚起する。
 実際あった遭難事案で、行き先を家族に告げず渓流釣りに出掛けた男性が遭難。探す範囲を絞り込むことができず、遭難から5日目に車を発見し、翌日男性を救助した。「だいたいの行き先でも分かれば捜索すべき範囲が見えてくるが、分からなければそれだけ遅くなる」と行き先を知らせることの重要性を語る。
 入山する際にも「重装備でなくとも、コンパスがあると歩く方向を決められる。携帯電話は山の中でつながらなくても、頂上や道路が近くなれば電波が入るかもしれない」と説明。大事なのは遭難するリスクを避けること。「いつも行く場所でも悪天候なら遭難することもある。天気を見て、適していないなら引き返す勇気も持ってほしい」と呼び掛ける。
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