障害者が農業に携わる農福連携事業に取り組む板柳町横沢の障害者就労継続支援A型事業所にじのいろが今年度から、情報通信などハイテク技術で作業の高品質化、省力化を図るスマート農業を取り入れている。精神障害を持つ人の特性と作業がマッチし、収益もアップしており、ハイテク技術を活用したさらなる規模拡大で障害者の生活安定を目指していく考えだ。
 JR林崎駅(藤崎町)近くにある事業所の畑にはビニールハウスが三つある。中で栽培しているのはピーマン。8月下旬、ハウス内部は40度に達していたが、従事者たちは収穫作業の手を休めることはなかった。次々とコンテナがいっぱいになり、4時間ほどで300キロ以上を収穫した。以前、労働環境からうつを患った男性(49)は「ここに来てから、仲間と協力し合い、作業に集中できるようになった」と汗を拭った。
 「皆さん、いい顔でしょう」と白川恵代表取締役。充実感の裏には、同事業所が今年度整備した、全自動で水、肥料を与えるロボットとハウスの導入がある。
 「精神障害を持つ人はアバウトな指示への対応が苦手」(白川代表取締役)。昨年度まで露地栽培のみ行っていたが、「天候や気候を考えると難しかった」と別の男性(34)が語るように、作物に与える水・肥料の量や頻度はマニュアル化が難しかった。悩んで、夜眠れなくなった従事者もいたという。
 5年ほど前、リンゴ栽培への派遣などを開始したが、経験がない従事者にはどれぐらい葉取りをやればいいのか分かりにくく、精神的な負担が生まれた。農家とのミスマッチもあったため、すべて自前でやろうと考え、あいまいな作業を肩代わりするロボット「ゼロアグリ」を今年度から導入した。
 ゼロアグリと相性のよいハウス栽培も導入。費用は約1000万円で、農水省の「農山漁村振興交付金」を活用した。農地面積と収量はほぼ倍になり、農協や産直施設に出荷している。
【写真説明】スマート農業を導入したハウスでピーマンを収穫する従事者(写真上)、にじのいろが導入した「ゼロアグリ」(写真下)

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