全国の法務局で自筆証書遺言書を保管する新制度が始まった。これまで自筆遺言は個人宅などで保管することが多く、遺言書の紛失や中身が改ざんされる恐れが以前から指摘されてきた。こうしたトラブルを回避できるようになり、青森地方法務局は「遺言を残す方の一つの選択肢になれば」と活用を呼び掛ける。
 遺言書は自筆証書と公正証書、秘密証書の3種類があり、主に使われているのが自筆証書と公正証書。
 遺言者自らが手軽に作成できる自筆証書は料金は掛からず自由度が高い一方で紛失、改ざんの危険性があった。新制度により、それらのデメリットがゼロとなるほか、これまでは必須だった開封前の家庭裁判所での検印手続きも不要になる。
 保管料金は1件につき3900円。保管申請の際には遺言書のほか、運転免許証などの遺言者の顔写真付きの本人確認が必要。保管先は遺言者の住所地か本籍地、所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局。
 注意点として、新制度では遺言書の法的な有効性を判断せず、あくまで日付や様式などに誤りがないかを確認するにとどまる。そのため、有効性を期すためには、弁護士や行政書士といった専門家の監修が必要となる。
 保管した遺言は遺言者の死後、相続人らの請求で保管の有無や内容を確認できる。その際、請求者以外の相続人らにも通知される。
 県内では本局のほか、弘前、五所川原、八戸など5支局で預けることが可能。青森地方法務局供託課の及川博之課長は「選択肢が増えたことで、遺言書を身近なものとして捉えてほしい。安価で安全に保管できる。利用してもらいたい」と呼び掛けた。
 問い合わせ、保管申請の予約は同課(電話017―776―9030)へ。

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