「Zoom」を用いたリモート練習会の様子。パソコンの画面には台本を読む平田代表(左)ら参加者の顔が映っている

 文学作品などをドラマリーディングで披露するアマチュア声優劇団「津軽カタリスト」(平田成直代表)は、ビデオ会議システム「Zoom」を用いたリモート練習会を活動に取り入れている。始めは新型コロナウイルス感染防止策として導入したが、今では距離や仕事、家庭の事情で練習会場に足を運べない人が参加できる場としても重宝しているという。平田代表は「自宅にいながら練習できるのはありがたい。これでより良い“声の演劇”を皆さんに届けられれば」と話した。
 津軽カタリストは弘前市を拠点に活動、太宰治をはじめとする津軽ゆかりの作品を演目対象としている。レパートリーは約60で、県内外の約40人が在籍している。今まで月4回、同市の勤労青少年ホームと青森市の中央市民センターの2カ所で練習していたが、新型コロナウイルスの影響で中央市民センターが3月下旬から5月末まで、勤労青少年ホームが4月下旬から5月中旬まで使用できない状態になった。
 「声だけとはいえ、メンバーの多くは演劇未経験者。複数人でやるので、タイミングや声の調子などをつかむ意味でも練習は不可欠」と平田さん。3、4月は練習、公演を自粛したが、5月31日に春の定期公演を控えていたこともあり、ゴールデンウイーク中にZoomでの練習を始めた。今では普段の練習会に加え、リモート練習会を週1回のペースで行っており、見学に訪れた人もいるという。
 メンバーの一人で、今年4月から仙台市の専門学校に通う瀬川夏音さん(18)=青森市出身=は「アルバイトで交通費を稼ぎ、仙台から青森まで練習に行こうとしたが、新型コロナの影響でアルバイトの募集もなく困っていた。お金と距離の問題をリモート練習が解決してくれたので本当に助かる」と、練習に励んでいる。
 平田代表は「音声だけだと声出しのタイミングがつかめないので映像は大事」とメンバー同士が様子を確認できる重要性に触れ、「弘前に住む私が青森に行って帰ってくるのに2時間はかかるため、今までは練習回数が限られていた。増えていくメンバーに合わせた練習法も考えていたので、それらの解決に今後もZoomを活用したい」と語った。
 今年は公演に足を運べない人のために、動画配信サイト「ユーチューブ」を用いたライブの生配信にも挑戦。7月4日に弘前市立郷土文学館で開かれる「太宰治~津軽弁セレクション」や、8月10日に同市の太宰治まなびの家で予定する結成8周年記念公演なども生配信する。平田代表は「どんな形でも活動を継続、発信することが後につながるはずなので、状況に合わせ工夫しながら活動を頑張りたい」と意欲を示した。
 練習の見学や公演などの問い合わせは平田代表(電話090―3123―3861)へ。