弘前市はオンライン移住相談を県内でいち早く導入し、移住支援に力を入れている(写真はイメージ)

 弘前市は今年度県内の市町村に先駆けて「オンライン移住相談」をスタートさせた。新型コロナウイルスの影響で、首都圏などで対面で行う移住フェアの開催が難しくなっていることを踏まえ、場所を選ばないビデオ会議システムを使った取り組みで、移住促進につなげようという狙いだ。併せて移住、定住促進に向けて、市民が市民目線で市の魅力を発信する事業も始め、新たな形の人口減少対策で取り組みを加速させている。
 市は新型コロナ対策の一つとして、ビデオ会議システム「Zoom」を導入し、同システムを使う専用の部屋も設置している。これまでの移住促進に向けた取り組みでは、東京事務所などで対面で対応していたが、対面を避けることができるZoomを使うことで、自宅や県外からでも気軽に移住相談ができるようになった。
 市は、テレワークが増え地方に住んでいても仕事が可能になる職種もあることから、移住のニーズが増加傾向にある―と分析。新型コロナ感染拡大の影響が出てきた4月以降には、これまで目立った首都圏からのU、Iターンだけでなく、関西方面からの問い合わせもあった。
 市の担当者は「移住に関する問い合わせは仕事と住まいの相談が主だが、農業の担い手不足という課題がある中、農業に興味を持つ人も出始めている。市にとっては担い手不足解消につながるチャンスだ」と語る。
 リモートによる移住支援が全国的に広がる中、27日には本県初のオンライン移住イベント「あおもり暮らしまるごとオンライン」が開催されることになっており、市もブースを設ける同日は約1万5000人の会員を持つ民間の「移住フェス」も開催され、同市は本県で唯一参加して魅力を発信する予定だ。市担当者は「移住は人生設計。リモート導入により、気軽に相談することができるようになれば、移住者の増加につながる。多くの自治体の中から弘前を選んでもらうきっかけにもなる」と期待を寄せる。
 また、市は人口減少対策の一つとして、移住、定住促進を目的とした市民参加型の新たな事業も今年度展開する。
 事業は応募時に市内在住か在勤、在学する高校生以上が対象で、経験豊富なライターの指導を受けながら、情報発信のスキルを磨き、「弘前ぐらし市民編集部ライター(市民ライター)」として市の魅力を発信してもらう。市の魅力をより多くの人に知ってもらうため、目に留めてもらえるような効果的な情報を発信し、幅広い年齢層の視点で呼び掛け、移住促進につなげたい考えだ。
 市の人口は17万人を下回り、昨年度の転出者は転入者を300人以上上回っている。市企画課人口減少対策担当の飯塚忠明主幹は「人口減少が加速する中、市民にも地元の魅力を再確認してもらい、定住にもつなげていきたい」と話した。