新型コロナの収束を願い作られた弘大ねぷたの鏡絵。中央に描かれた神農がにらみを利かせている

 弘前市のねぷた絵師聖龍院龍仙さんが23日、新型コロナウイルス感染拡大の余波で弘前ねぷたまつりの合同運行が中止になった弘前大学本ねぷたの鏡絵を完成させた。今夏は感染防止の観点から祭りが中止を強いられる中、弘大と龍仙さんが厄災収束への願いを込めて制作。弘大は一般公開を含めた活用方法を前向きに検討している。
 弘前を代表するねぷたまつりの中止は第2次世界大戦後初めて。弘大は毎年合同運行に参加しており、約30年前から龍仙さんにねぷた絵の制作を依頼している。今夏は合同運行の断念を余儀なくされたが、ねぷた絵を作ることで新型コロナの厄災を払おうと、5月中旬ごろに弘大が制作を依頼。龍仙さんは6月中旬ごろから約1週間かけて完成させた。
 鏡絵は「神農疫病滅敵図」。縦約5メートル、横約7メートルで、中央に薬草をつかさどる神様「神農」を力強く描いた。随所に朝鮮ニンジンや霊芝(れいし)といった薬用植物を配し、病気に負けないという強い意志を表現したという。
 龍仙さんは「祭りが中止になっても絵を依頼し、表現の場を与えてくれた大学に感謝。大切に保存して後世に伝えてほしい」と語った。
 弘大によると7月下旬には鏡絵、袖絵、見送り絵がそろって弘大に届けられ、歴代のねぷた絵と同様に図書館で保存される予定。総務部の後藤真吾人事課長は「急な依頼にもかかわらず、私たちの要望に応えてくださりありがたい」と感謝。ねぷた絵の活用に関して「何らかの形で前向きに検討したい」と話した。