八甲田に自然栽培の農園づくりを目指して行われたジャガイモの植え付け作業

 「自然豊かな八甲田に自然栽培の農園を」―。青森市荒川の約2万坪(約6.6ヘクタール)に及ぶ休耕地で、自然栽培の農園づくりが一から始まっている。農業生産法人株式会社ノア(牛田泰正代表取締役)が、農園開設を目指し、クラウドファンディング(CF)で支援を募り当初の目標を達成。理想の農園づくりを目指しジャガイモの植え付けを行うなど、本格的な活動に取り組んでいる。
 牛田さんは、外食産業での経験を基に、県内外の大学や短大などでフードビジネス論を指導してきた。学内では学生と農地を借りて収穫作業を行うなど、農業への関心を高めてきた。
 そうした中、無農薬、無肥料、除草剤も使わないリンゴ栽培を成功させた自然栽培のパイオニア木村秋則さんと知り合い、青森市内の知人から、八甲田の休耕地を好条件で借りることもできたことから、自然栽培の農園づくりを始めることを決意。
 5月中旬からクラウドファンディングのサイト「レディーフォー」に整地や耕地、農機具代に必要な金額100万円を目標に支援を募ったところ、2週間を待たずに達成した。現在は「ネクストゴール」として、現場のトイレやプレハブ休憩所の設置費用(計50万円)について、今月末までの期間で支援を求めている。
 支援の初期目標達成を受け、現地では農地づくりを本格化。今年は約1ヘクタールを開墾し、そのうちの50アールに支援者への返礼品となるジャガイモの植え付けなどを行うことにした。
 牛田さんによると、現地は休耕地になってから5年が経過しているため、土地が自然に返っている状態で、自然栽培にふさわしいという。開墾・耕地に際し、大きな石などが埋まっていたが、支援金で得た農機具を活用して取り除き、農地へと復活させた。
 「南八甲田ファーム」と名付けられた農園には、農地を横切るように2本の溝を整備。これは木村さんからのアドバイスを基に作ったそうで「山からの水を切って土壌を変える効果がある」という、牛田さんのこだわりの設備。自然豊かな八甲田に自然栽培に適した農地を作り出した。
 14日は植え付けが行われ、ジャガイモ「キタアカリ」の種イモ約1トンを用意。自然栽培に関心のある人たちでつくる女性グループも手伝って、作業に精を出した。
 牛田さんは今後の計画について「今年は1年目なので、試行錯誤して、2年目からは収益も考えていきたい。3年目は残りの部分も開墾し、レンタル事業も行いたい」と話し「クラウドファンディングの(支援者の)9割は東京の人たち。それだけ有機野菜が求められているので、実現させたい。それが私の夢」と意気込んでいる。