山岸助教(手前)の指導を受け、ガシャモクの栽培に取り組む生徒たち

 つがる市の木造高校(大瀬雅生校長)の生徒11人が今年度、総合学習の時間を利用し、2017年に市内の沼で見つかった水草「ガシャモク」栽培の特別講義に取り組んでいる。“幻の水草”とされるガシャモクなどが自生する地元の豊かな自然環境に触れる機会となり、ひいては種の持続的な維持にもつながればと関係者は期待する。
 今月12日、ガシャモクを発見した研究グループのメンバーで、講師を務める弘前大学農学生命科学部白神自然環境研究センターの山岸洋貴助教(44)の指導の下、学校玄関口に深さ65センチの水槽が設置され、ガシャモクの幼株2株が入れられた。
 生徒たちは水中環境の維持に努めながら、観察に取り組む。現地の沼も訪れた上で、種子を発芽させるのも目標だ。最終的には、保全のための情報を地元に還元することも視野に入れる。
 ガシャモクは、環境省のレッドリストで、絶滅の危険性が非常に高い絶滅危惧IA類に指定されている。
 現在、同市と北九州市の2カ所にのみ自生。過去には千葉県の手賀沼などでも確認できたが、環境の変化などで絶滅した。
 従来の北限だった関東地方から500キロ以上離れたつがる市で見つかったため、学術的な価値は高い。さらに同市でガシャモクと近縁種のエゾヒルムシロとの雑種も発見され、「ツガルモク」と名付けられるなど、関係者の種の保存に対する思いは強い。
 生物多様性が認められている同市の沼だが、富栄養化が進む可能性があり、今後同市でも絶滅しないとは限らない。山岸助教は「市には農地景観とともに豊かな自然が今も息づいている。だが環境は変化しやすい」と危惧し、地元の若者が環境の大切さに触れる機会になればと今回の取り組みが始まった。山岸助教は「軌道に乗ったら栽培の研究も進めてほしい」とも期待する。
 特別講義に参加している3年の金子結舞(ゆま)さん(17)は「植物や生物に興味があり参加した。繁殖が難しい理由や、なぜ市に自生していたのかなどを研究するのが楽しみ」と話し、「最終的に絶滅危惧種でなくなるくらい増やしてみたい」と目を輝かせた。