第163回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の各5候補作が16日付で発表された。「赤い砂を蹴る」(文学界6月号収載)で芥川賞候補に選ばれた石原燃さんは、五所川原市(旧金木町)出身の太宰治の孫で、2016年に死去した作家津島佑子さんの娘。太宰、津島さんともに受賞を逃しているが、同賞候補作家に名を連ねている。劇団を主宰し劇作家として受賞歴を持つ多才な“三代目”のノミネートとなった。
 太宰は「逆行」(第1回)津島さんは「狐を孕む」(第67回)「壜のなかの子ども」(第69回)「火屋(ほや)」(70回)で同賞候補となっている。
 石原さんは10年、日本の植民地時代の台湾を描いた「フォルモサ!」で劇団大阪創立40周年の戯曲賞で大賞を受賞。13年に劇団「燈座」を旗揚げし、主宰を務めている。
 県近代文学館(青森市)前室長で、同館で開催した津島さんの追悼パネル展などをきっかけに石原さんと交流を持った伊藤文一さん(現中里高校教頭)は「かねてから先鋭的な劇作家として注目していたが、小説の分野でも才能を発揮したことに驚いた。出自を思うと、受け継がれた才能を感じざるを得ない」と声を弾ませた。
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