鯵ケ沢町教育委員会は大正時代に発行された「鯵ケ沢港案内真景図」を参考に、現代風の鳥瞰(ちょうかん)図「新撰鯵ケ沢港案内真景図(港町歴史マップ)」を作成した。作成を担当した中田書矢総括学芸員は「鯵ケ沢港が北前船寄港地であった歴史を土台に、町が今につながっていることを楽しめるマップ」と語った。町中央公民館1階ロビーと海の駅わんど、JR鯵ケ沢駅観光案内所で配布している。
 マップは新聞1ページ分より、やや大きいA2判。大正期の真景図を土台に、港周辺の現在ある公共施設や文化財、歴史的景観、住民の文化や信仰を伝える建造物や碑などを立体的な図面で紹介し、裏面では各文化財などを写真付きで解説している。町内在住のデザイナー工藤健さんがデザインを担当した。
 八つ折りにした表紙部分には1932(昭和7)年に鯵ケ沢港築港起工記念に作られた「鯵ケ沢音頭」の歌詞を、図面右上には中世から現在に至る港の略史をそれぞれ配した。このほか、北前船で鯵ケ沢にもたらされた御影石や笏谷(しゃくだに)石の紹介、鯵ケ沢に伝わる昔話「さんこ狐」のエピソードも挿入。よく見ると、工藤さんが遊び心で入れた、今は存在しないはずの帆船や馬を引く人の姿も小さく確認することができる。
 元となった真景図は18(大正7)年、旧東京市(現在の東京都東部)の会社が当時の町内商店主から出資を得て発行した。町教委はこれを模写、彩色の上で拡大し、パネルとして活用してきた。新旧真景図を比較することで、町の移り変わりを楽しめることもできる。
 中田総括学芸員は「(旧)真景図を今の町に投影させ、歩みや変化を紹介し、歴史を感じさせる風景や景観に焦点を当てた」と見どころを語った。
 町中央公民館ではマップ配布に併せ、新旧真景図のパネルなどを展示している。

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