弘前市の櫻田宏市長(左)ら津軽広域8市町村長が観光振興の方向性を申し合わせたテレビ会議

 新型コロナウイルスの影響で経済活動が低迷する中、弘前市など津軽広域8市町村の首長は12日、テレビ会議を開き、圏域内を地域住民が巡る小旅行や特産品を集めたアンテナショップを設置するといったプロジェクトに連携して取り組み、地域経済活性化を図ることを申し合わせた。今後は8市町村担当者らでプロジェクトチームを編成し、早期実施を目指す。
 新型コロナ感染症拡大防止の観点から、津軽広域8市町村長が初のテレビ会議で意見交換を実施。冷え込んだ津軽地域の経済回復に圏域全体で取り組もうと、弘前市の櫻田宏市長が3事業による(仮称)「津軽でつながる広域応援プロジェクト『エール津軽‼』」を提案した。
 圏域内の小旅行については、遠方への旅行を控える住民を対象に、8市町村の宿泊・観光施設を活用するプレミアム宿泊プランを設定する方針。宿泊施設が少ない自治体にも波及効果が表れるよう工夫し、30分~1時間で行ける「マイクロツーリズム」の新たな魅力を発信するほか、「津軽でつながる」をキーワードに、住民が圏域の店舗を巡るスタンプラリー事業も検討する。
 8市町村の特産品や話題商品を集めたアンテナショップを設ける事業では、会場使用料や人件費を補助し、出店者の負担軽減を図る。全国的にこだわりのパンへの注目度が高まっていることから、圏域内の人気パンを呼び水とし、いわゆる「3密」を避けつつも集客力を高める方針。
 いずれの事業案も具体的な実施内容や時期、財源は未定だが、各市町村の担当者や商工会議所・商工会らが連携し内容を検討した上で、可能な事業から順次着手する。圏域内の小旅行については、旅行需要喚起を目指す国の事業との連動も視野に、夏ごろの実施を目指したい考え。
 櫻田市長の提案内容に対し、7市町村長は全員が賛同。憲黒石市長は「アンテナショップは弘前市内設置もいいが、各市町村も巡回してはどうか」と述べ、平田博幸藤崎町長は「担当者会議を早急に開いてほしい」とし、早期実現を要望した。
 成田誠板柳町長は「温泉を巡る日帰りバスツアーのようなプランはどうか」と提案し山田年伸大鰐町長は「町の宿泊施設も厳しい状況。相乗効果を上げられる取り組みを考えたい」、鈴木孝雄田舎館村長は「8市町村で取り組めるのはうれしいこと」と歓迎した
 今回のプロジェクトに対し、長尾忠行平川市長は「県内の感染者は現段階ゼロ。県内の人が動くなら感染リスクは少ない」と指摘し、関和典西目屋村長は「(新型コロナに対する観光振興策としては)全国どこを見ても例がないほど大規模な連携。互いの良さを尊重して取り組みたい」と意気込んだ。
 櫻田市長は「知っているようで知らない地元を再発見する機会。多くの人が圏域の魅力を再確認するプロジェクトにしたい」と力を込め、8市町村で開始する取り組みを、さらに津軽14市町村へ拡大する展開にも期待を寄せた。