事故現場付近で手を合わせる山田久美子さんの遺族や友人ら=8日午後7時ごろ

 「殺されたも同然で、悔しさは消えることがない」。4人が亡くなった事故で危険運転致死傷の罪に問われた被告(34)に、求刑通り懲役20年が言い渡された。法定刑の上限となる判決に、遺族らは「常識的な判断をしていただき、感謝している」としながらも、飲酒運転で大切な家族を奪った被告に対し「死ぬまで十字架を背負ってほしい」「憎い」などと憤りを隠さなかった。
 事故で死亡した4人のうち山田久美子さん=当時(46)=の遺族は弁護士を通じてコメントを出し、判決について「4人の命を奪った事故でもあり、懲役20年は当然だという思い。求刑通り、法定刑の上限である20年としていただいたことについて、裁判官や裁判員の方には常識的な判断をしていただき、感謝している」とした。
 被告に対しては「保身に走っているように思える被告とその家族には何を望んでも無理だと思う」とし、「一生車の免許を取得しないでほしいし、できることなら一生車の免許を取得させないでほしい」と望んだ。
 危険運転致死傷罪の法定刑は懲役1年以上20年以下とされているが「命が一つであることは殺人罪でも同じなのに、危険運転致死傷罪は殺人罪よりも刑が軽くなっている。遺族にとっては殺されたも同然で、悔しさは消えることがない」と悲痛な心境をつづった。
 判決後、山田さんの遺族や友人ら10人以上が事故現場を訪れ、「久美子さんらしい明るい色を」と黄やピンクの花を供えた。
 「いつも笑っていて、誰一人悪く言う人はいなかった」と、多くの人に親しまれた山田さんをしのんだ友人たち。友人の一人は「現状で最大の懲役。裁判官や裁判員には感謝している」としながらも、飲酒運転での事故だけに「本当は殺人事件で裁いてほしかった」と吐露。「久美子を返してほしい」「死ぬまで十字架を背負ってほしい」と切実な思いを口にした。
 「父親の面倒もよく見ていた」。遺族の一人は故人を振り返り、「4人が亡くなった事故で、たった懲役20年なんて」と悔しさをにじませた。裁判で見た被告の様子について「何も反応がなく、反省もしていないよう。どう思っているのか」とし、「憎い」と悲痛な思いを語った。