県保険医協会(森明彦会長)が新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する緊急アンケートを実施した結果、医科の8割、歯科の6割が外来患者数や保険診療収入が減少したと回答したことが7日、分かった。診療や医療機関経営にも新型コロナの影響が及んでいることが浮き彫りになった。感染を心配して患者が診療を自粛するケースも増えており、同協会は病気の悪化や重症化が懸念されるとして「我慢しないで受診して」と呼び掛けている。
 同協会は保険診療に携わる県内の医師と歯科医師が任意に加入している団体。アンケートは5月1~18日に実施。対象医療機関1185件中、300件(医科183件、歯科117件)から回答があった。
 4月の外来患者数が前年同月と比べ「減った」と回答したのは医科で86・9%(159件)、歯科で65・8%(77件)。4月の保険診療収入が前年同月と比べ「減った」と回答したのは医科で83・6%(153件)、歯科で63・2%(74件)だった。
 新型コロナ感染拡大により、患者が感染を心配して受診を控えたり、福祉施設などで訪問者制限のため訪問診療を取りやめたりするケースも増加。
 医療機関からは「受診を控えることによって症状のチェックの間隔が長くなり、それにより病状の悪化が生じることもあり得る」「口腔(こうくう)ケアを歯科に任せきりだった施設では、ケアが不十分なことで口腔内の衛生状態が悪化し、誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが高くなる」など、病状悪化を心配する声が寄せられた。
 「休業に追い込まれる減収になる前に国の補助が出なければ、あっという間に廃業に追い込まれる」「もし自院でコロナの方が出た場合、一時休業による収入減でスタッフへ今まで通りの給料が支払えなくなる可能性も」など、経営を不安視する声もあった。
 同協会は「今後、第2波、第3波が到来すれば、治療中および治療が必要な患者さんのさらなる受診抑制につながり、これまで培ってきた『早期発見・早期治療』という日本の医療と、地域医療の根幹を崩壊させかねない」と指摘。「各種感染対策を講じており、必要な医療を安全に提供するよう努めている」とし、これまで通りの受診を呼び掛けている。