4人が死亡した事故現場=2018年9月22日、つがる市

 2018年9月につがる市の国道101号で車4台が多重衝突し、4人が死亡した事故で、危険運転致死傷の罪に問われているつがる市森田町大館千歳、無職の被告の男(34)の裁判員裁判の判決が8日、青森地裁で言い渡される。検察側は法廷刑の上限である懲役20年を求刑、弁護側は危険運転致死傷には当たらないとして無罪を主張している。判決を前に両者の主張を整理する。
 危険運転致死傷罪は、アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態で車を運転したり、制御が困難な高速度で運転したりした場合に適用される。正常な運転が困難な状態とは、道路や交通の状況に応じた適切な運転が困難な状態を指す。
 裁判の争点は(1)アルコールの影響で正常な運転が困難であったか(2)被告本人がその状態を認識していたか―の2点で、危険運転致死傷罪が成立するかどうかが争われている。
 検察側は、事故現場800メートル手前で時速129キロから138キロで走行し、時速163キロまで加速、前方車両に衝突直前まで気付かなかったことなどから、事故現場800メートル手前の時点ですでに正常な運転が困難な状態であったと主張。事故当時、高濃度のアルコールを身体に保有しており、事故前後の言動や事故状況がアルコールの影響と整合するため「アルコールの影響以外には考えられない」としている。
 争点(2)については、普段以上に飲酒し、運転開始前後に眠気を感じていたこと、時速130キロほどまで加速するには相当の力でアクセルを踏み込む必要があり、意図的にアクセルを踏み込んで加速したことなどを挙げた。
 4人が死亡し1人が重傷を負うという重大な被害結果をもたらしたことや、犯行の動機、経緯に酌むべき事情はないなどとして、危険運転致死傷の上限である懲役20年を求刑した。
 弁護側は、飲酒量は普段と変わらず、事故現場までの約10キロを運転できていること、時速約130キロで走行し、意識がもうろうとしていたり仮睡であれば同乗者も恐怖を感じて必死に起こして止めるはずだが、そこまでの行動はしていないこと、事故直前まで前方車両に気付かなかったのは速度超過、悪天候、深夜という条件が重なったためなどと主張。「正常な運転が困難な状態で運転しておらず、その認識もない」とした上で「争点について検察官が立証できているとは言えず、(危険運転致死傷の罪に関しては)無罪と言うほかない」と訴えている。