深浦町の吉田満町長は5日、同町の第三セクター・ふかうら開発(社長・吉田町長)が舮作地区で運営するリゾート施設ウェスパ椿山の営業を10月末で終了する方針を明らかにした。厳しい経営状況に加え、施設の維持管理や老朽化への対応に多額の経費が見込まれ、新型コロナウイルス感染症の影響も追い打ちを掛け、大規模な事業縮小を迫られた。従業員41人は一部、他部門に振り分け、他は町が再就職を支援する。
 施設は1995年7月にオープンし、コテージやレストラン、温泉施設、物産館「コロポックル」、展望モノレールなどを備え、昨年度の来客数は約15万人だった。
 町は施設の営業終了に関する基本方針をまとめ、4日の取締役会でおおむね了承を得た。それによると、町は同社との間で結ぶ、施設等の管理運営に関する基本協定を10月末で解除。施設は今月末まで休業し、7~10月の間は営業する。社は存続し、バス運行などの事業は継続するが、「つるつるわかめ」に代表される水産加工と食堂両事業は今月中に経営の可否を判断する。
 同社は2015年度決算で債務超過に陥り経営改革に着手、19年度に策定した「抜本的改革プラン」に基づく取り組みを開始する予定だったが、今後の施設運営には、借入金が最低約2億円必要で、その場合は今年度末債務が約2億9320万円となる。20年償還とすれば、年間約1460万円の負担となる。このほか19、20各年度決算とも赤字が見込まれ、今年4、5月の売り上げは新型コロナに伴う休業で前年同期比86・5%減に落ち込んだ。今後、町による投資経費や施設の老朽化への対応も多額と見込み、決断に至った。
 町は今後、今年度の施設関連予算を凍結の上、関係機関と協議し継続施設と閉鎖施設を選別。施設買い取りを希望する企業があれば話し合いに応じる意向だ。
 吉田町長は「12年前、町長に就任した時も施設運営は非常に厳しく、(町が)損失補償をしつつ、若者定住と雇用促進を掲げ、社員も努力してきた。しかし、三セクが特別な存在ではなくなり、議会の承認も得にくくなった。その中で、判断のタイミングは今しかなかった」と語った。