扇灯籠と金魚ねぷたを紹介する市職員

 弘前市が7月下旬から、市内を伝統的な手持ちねぷたで飾り付ける取り組みを検討していることが4日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今夏の弘前ねぷたまつりが中止となる中、ねぷた文化の継承や、来夏の祭りに向け市民を活気づけようという取り組みだ。
 同日、市役所で開かれた市新型コロナウイルス感染対策本部会議で、観光部が検討状況を明らかにした。
 弘前ねぷたまつりは、戦時中の1937~45年に中止されたことはあるが、戦後になってからの中止は初めて。弘前さくらまつりに続く中止ということもあり、落胆する市民も多かった。
 こうした中、市が検討を進めているのが、市内を手持ちねぷたで飾ろうという取り組み。「3密」を防いだ形で、城下町としての美風を守り、文化や伝統を継承しようという狙いや、収入減になっているねぷた絵師を救済する目的もある。
 市によると、飾り付けるのは手持ちねぷたの扇灯籠、角灯籠、金魚ねぷたの3種類で、制作はねぷた絵師らに依頼したい考え。展示の個数や方法など詳細はこれから検討するが、飾り付け時期は7月下旬~8月中旬を想定。祭りの運行ルートと重ね、JR弘前駅から土手町、市役所までの間に展示したいという。制作費用などは今夏の弘前ねぷたまつり関連費を活用する見込み。
 市観光課の担当者は「かつては祭りに出陣しない団体が、灯籠を家の前に飾っていたという話や、近年でもねぷたやお盆期間に灯籠を店や家の前にともしている町内もある」とし「祭りは中止になってしまったが、ねぷた文化の継承や来夏の祭りの活気につながるような取り組みを目指したい」と話している。