県教委が西北4高校の統合校名に決めた「五所川原工科高校」。五所川原工業高校の校舎を使用する

 県立高校の再編で、西北地区4高校(金木、板柳、鶴田、五所川原工業)を統合した「五所川原工科高校」の新設、弘前実業高校農業経営科の募集停止などが決まった。卒業生や首長からは新校名への肯定的な意見が聞かれる一方、地域の特色ある高校、学科が消滅する流れを憂う声も上がった。
 弘前市内唯一の農業系学科がなくなることに、弘前実卒の清野一榮弘前市議会議長は「“りんごの街”を標ぼうする弘前にとって本当に残念。農家を志す子どもの門戸を狭めるのはいかがなものか」と注文。同じく廃止となる弘前工業定時制工業技術科のOBで同市のデザイン会社経営花田一男さん(52)は「全日制に行けず、それでも道を外さぬようにと学んでいる人が多かった。社会人の学び直しの場でもあり、受け皿が無くなることは残念」と述べた。
 吉田健教育長は「見込みが発表されていたことから、冷静に受け止めている。県には魅力ある学校づくりの推進、地域産業を支える教育的資源の存続を引き続きお願いする」とのコメントを出した。
 西北地区4校の統合に、鶴田高同窓会の花田正逸会長は「鶴田の名前が無くなることに寂しさが募る。弘前―五所川原間の高校が無くなるのが残念」と心境を吐露。
 弘前市から板柳高に通った女性(39)は「藤崎園芸が消え、板柳、鶴田も閉校。市北部の中学生は進学先に苦労するのでは」と心配し、五所川原市金木地区の「観光カリスマ」角田周さん(67)も金木高の消滅を惜しみながら「生活圏から多様な施設が無くなり、複合的問題を来しかねない」と懸念した。
 一方、佐々木孝昌五所川原市長は「校名に工の字が入り工業系の印象があって良い。五所川原、五所川原農林と並べてもバランスが良い」と評価。金木高の閉校は「金木から北の少子化は著しい。一番現実的な選択肢」とした。
 既に2020年度から募集停止し1年生が不在の中里高がある中泊町の濱舘豊光町長は「集約というと中心都市―といった傾向は問題。教育の多様性を育むためにも、郡部に特色ある学校を」と指摘した。