話題となっているハート(○で囲んだ部分)。その左上には「ツバメ」の姿も=5月29日、陸奥新報社本社社屋より撮影

 岩木山の雪解けが進むにつれ、山肌に表れる残雪の形状「雪形(ゆきがた)」が、「ハートの形に見える」とインターネット上で話題になっている。雪形は古来より伝承され、農事暦として使われてきたものだが、見る人、見る時期、見るエリアによってもその形や表現が異なる。先人の暮らしと知恵に思いをはせつつ、初夏のこの時期、現代ならではの楽しみ方もあるようだ。
 360度、津軽のさまざまな場所から眺めることのできる岩木山。雪解けが進む4~6月ごろにかけ、徐々に山肌に雪形が姿を現す。
 「ふるさと雪形探訪(陸奥新報に2005年掲載、室谷洋司氏)」「新編弘前市史通史編岩木地区」などによると、岩木山の雪形は古くから「ツバメ」「犬」「牛クビ」などの動物や「苗とり爺」「苗ショイ婆」などの人、また農具などの形として現れ、伝承により農民たちが田植えなどの農作業や山菜採りの時期の目安としていた。研究により、見られる雪形の数は日本一ともされている。
 今回、ハートに見えるとネットで話題になったのは、鳥海山南側斜面に表れる代表的なツバメ(地域によっては「山羊(やぎ)」「上り犬」などとも言われたという)の右翼の下あたりの雪形。田植えの時期を知らせるとされる「下りウサギ」が溶けて変化したものとみられ、2日時点では消失してしまったが、目のようなものもあり、「隠れミッキー」との表現もあった。
 岩木山観光協会の小山伸吉事務局長は「岩木山では42体もの雪形が確認されている。見る時期、角度によっても異なり、子どもたちはキャラクターに見えるとも話す。農事暦として使われていたという根本がありつつ、人によって異なって見える面白みもある」と話した。