天井や壁一面に花や動物、キャラクターが描かれている
駅天井に描かれた大きな目玉は、子どもやお年寄りの安全を見守っている
ベンチやごみ箱、ドアもアートの一部

 平川市在住のアーティストGOMAさんが制作した弘南鉄道田舎館駅構内のアートが、インターネット交流サイト(SNS)などで注目を集めている。イラストは、地元の子どもらの安全を見守るとの願いを込めた大きな目玉を中心に広がり、花やキャラクターが壁一面に描かれ、駅とは思えない独特の空間を生み出している。GOMAさんは「新型コロナウイルスによる外出自粛が緩和された時に『行きたい』と思ってもらえる場所をつくりたかった」と語り、弘南鉄道も「(収束後に)訪れて見ていただきたい」とPRしている。
GOMAさんは1、2年前からランタン列車プロデュースなどで弘南鉄道と交流があり、「駅にアートを描いてみたい」と申し出ていたという。その結果、田舎館駅が対象に選ばれたが、制作に2週間近くかかることから、GOMAさんのスケジュールの都合でしばらく見送られていた。
 その後、新型コロナ感染拡大の影響でGOMAさんの講演会やライブアートなどが相次いでキャンセルとなったため、「今ならば乗客にも迷惑が掛からないのでは」と弘南鉄道に相談し、5月3日に作業を始めた。
 まず構内を清掃し、アート用に壁全体を白く塗装。脚立などを使い、天井からイラストを広げていった。印象的な大きな目玉は「駅近くで遊ぶ子どもや農作業している人たちを見守る目であってほしいとの気持ちを込めて描いた」という。
 下描きや見本は一切なく、中心から絵を描き足していくアートは壁だけではなく、出入り口の扉やごみ箱、いすにも広がり、さまざまな花や動物、キャラクターが描かれ、思わず写真に撮りたくなるようなものばかりだ。
 5月15日に完成し、SNSなどで報告すると「アートすぎる駅」と注目を集め、実物を見ようという人たちが村内外から訪れるなど大きな反響があった。
 GOMAさんは「ネットニュースに載り、海外のアート関係雑誌からも取材のオファーがきた。自分の思いつきが人気になって、驚きとともにありがたい思い。特に地元の人が喜んでくれたのがうれしい」と笑みを浮かべる。
 まだ公表できないものの、今後も鉄道に関係したアートを考えているといい「私たちアーティストが明るい話題を提供できたら」と話した。