津軽藩ねぷた村の入り口で実証実験中の検温システム。カメラで捉えた来館者の体温を数値やサーモグラフィーによる色温度で表示する
アマビエねぷたが並ぶ「弘前ねぷたの館」

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、本県で呼び掛けられていた県をまたぐ移動の自粛が1日、特定の都府県を除いて解除された。観光施設でも営業再開の動きが見られ、弘前市の津軽藩ねぷた村(中村元彦理事長)では、来館者向けの非接触型体温検知システム導入を踏まえた実証実験をスタート。本格的な観光客の入り込み復活に向けて準備を整えた。感染防止の観点から呼び物の体験コンテンツは引き続き休止するが、代わりに人気の「アマビエねぷた」を前面に押し出すなど工夫を凝らしている。
 同施設では同日、4月17日から休業していた有料見学施設の営業を再開。緊急事態宣言を受けた全館休館を経て5月7日から段階的に休業を解除し、この日は44日ぶりに全施設での営業再開となった。
 検温システムは青森市のIT企業・フォルテ(葛西純代表取締役)が開発した、人工知能(AI)と顔認証技術、高精度赤外線センサーを活用したもので、県内観光施設での実証実験は初の試み。有料施設入り口に設置したAIカメラを用いて、体表温度をパソコンモニターに表示。一度に20人まで検知できる。
 中村理事長は「施設再開に当たっては来館者の検温をどう行うかが課題だった」と話し、スタッフの業務負担や安全、施設内の感染リスク低減を念頭にさまざまな機材やシステムを試行錯誤したという。仮設置したシステムの運用を確認した上で本格導入する構え。
 一方、来館者に人気がある太鼓たたき体験と津軽三味線生演奏は、新型コロナ感染予防対策のため引き続き休止。代わりに呼び水にしようとしているのが、オリジナル商品「アマビエねぷた」で作った撮影スポット。休館中の通販で注文が殺到し、ねぷた村の新たな顔になっているものだが、それぞれの体験会場に直径30~100センチのねぷたを多数展示した。「いつもとは違う世界を楽しんでもらえれば」と檜山和大助役。
 この他、工芸品制作の見学コーナーでは、制作者と来館者の距離を保つよう作品を並べるなど、館内各所で感染対策を施している。