試合ができる喜びをかみしめ、熱戦を繰り広げる弘前東高校と聖愛高校の選手たち=はるか夢球場

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が本県で解除されてから、高校球児たちは県内各地で練習試合に臨んでいる。弘前市のはるか夢球場では31日、弘前東高校と聖愛高校が3試合を行い、両校の選手たちは仲間と野球ができる楽しさをかみしめながら白球を追い掛けた。全国高校野球選手権大会県予選は中止となり、3年生にとって開催が模索される代替大会は、高校球児としての集大成の場。甲子園のない“最後の夏”に向け、ひたむきに力と技を磨いている。
 県高校野球連盟は先週末、各校に対外試合を解禁。近隣校同士での試合が基本だが、両校の校長が同意すれば、他地域の県内校とも試合できるとしている。
 はるか夢球場ではこの日、昨夏の選手権大会県予選準優勝の聖愛と、昨秋の県大会準優勝の弘前東が熱戦を繰り広げ、1試合目は弘前東、2、3試合目は聖愛が勝利した。
 「仲間と野球ができるうれしさとありがたさを感じている」と振り返った弘前東3年の蝦名温人主将(17)。春夏の公式戦中止が相次ぎ、長らく実戦から遠ざかっていたため、その思いはひとしおだった。一時は選手たちの士気が下がっていたというが、代替大会で優勝するという新たな目標に向けて「チームは真っすぐ進んでいる」と強調した。
 この日は3試合とも、選手の保護者や観客にスタンドが開放された。当初は無観客での実施を検討していたが、選手たちがプレーする姿を披露する機会を提供するため、両校が感染予防策を徹底することで実現したという。
 ただ、観客が入ったことによって、より実戦形式に近い試合となった。弘前東の葛西徳一監督(34)は「公式戦のような雰囲気の中での試合だった。出てきた課題を克服してチームの基礎値を上げていきたい」と意欲。聖愛の原田一範監督(42)も「観客にプレーを見てもらうことで、選手たちには良い刺激になったのでは」と振り返った。
 コロナ禍で静まり返っていた球場に、少しずつではあるが球音が戻ってきた。聖愛3年の齋藤拓哉主将(17)は「対外試合ができていないチームもある中で、試合をさせてもらえるのは本当にありがたいこと」と感謝し、「数少ない試合の機会を大切に、応援してくださる方々に(自分たちの)ひたむきな姿を見せていきたい」と意気込んだ。