青森銀行のコンサルティング会社「あおもり創生パートナーズ」は29日、弘前さくらまつりと青森ねぶた祭の中止による経済的損失が、付加価値額(粗利益)で、本県名目GDPの1・26%に相当する575億2000万円に上るとの推計を明らかにした。弘前さくらまつり単体では、約289億6000万円。
 調査は、新型コロナウイルスの影響で本県の二大祭りが中止となったことによる経済的ダメージを把握し、収束後の展望につなげようと初めて実施。
 祭りの入り込み客数は、それぞれの祭り本部が昨年発表した数字を用い、弘前さくらまつりは約289万人、青森ねぶた祭は約285万人。入り込み客の宿泊の有無や消費額などは県の統計を用いた。
 二つの祭りの入り込み客がもたらす消費総額は宿泊代、飲食費、交通費などを含め1013億3000万円に上る。このうち県内で直接的に生じる需要は688億7000万円と推計され、粗利益で392億3000万円の損失が見込まれるとしている。
 さらに、県内の需要の減少は取引先を通じて他産業にも波及するため、第1次波及効果として105億9000万円の損失が追加で発生。第2次として、雇用者所得の減少で77億円の損失が生じ、本県の経済損失は575億円以上に上ると推計している。
 需要額の減少を業種別でみると、飲食業と宿泊業を含む「対個人サービス」が511億2000万円で最大。次いでバス、タクシー、鉄道などの「運輸・郵便」が69億6000万円、「商業」28億8000万円、「農業」28億4000万円などと続く。
 付加価値額の損失は対個人サービス315億円、運輸・郵便48億2000万円、商業40億2000万円、対事業所サービス36億8000万円、不動産34億6000万円、農業22億7000万円など。
 国から支給される特別定額給付金の県内給付総額は約1300億円で、損失が見込まれる観光消費額の1013億3000万円を上回ることから、同社は「10万円の給付を受ける個人の中には『コロナショック』による収入減とならない層も多く含まれている。その10万円を、大きな売り上げを失う県内事業所に向けて意識して使うことが必要だ」と指摘している。