ビデオ会議システムを使って中国大連市のバイヤーと商談する六花酒造の大瀬主任

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、県内企業の海外販路拡大に向けた商談会が中止・延期を余儀なくされる中、ジェトロ青森は29日、ビデオ会議システムを活用した「オンライン商談会」を初開催し、県内企業と中国大連市のバイヤーが商談を行った。完全収束が見通せない状況から、関係者は「今後はオンライン商談会が主流になっていくのでは」と予測し、代替策として期待を寄せている。
 ジェトロ青森では例年40前後の商談会を開催しているが、新型コロナの影響により今年2月、八戸市で開かれた酒類の商談会に大連市のバイヤーが参加できず、これ以降商談会を中止していた。しかし、同じバイヤーから「北東北の酒類を仕入れたい」と要望を受け、本県と岩手、秋田の酒類製造業8社とのオンライン商談会を各地域のジェトロ事務所と共に企画した。
 この日のオンライン商談会には本県から2社が参加。このうち弘前市の六花酒造では、営業部の大瀬共信主任がスマートフォンを用いてビデオ会議システムを起動し、大連滴水貿易有限公司のバイヤーと約40分にわたり商談。カメラに向けて自社商品をPRし、カタログ送付などの約束を取り付けた。
 初めてオンライン商談会に臨んだ大瀬主任は「目と目が合ったまま話せるので相手の心理的な状態が分かり、電話よりも商談に向いている。今後もジェトロ側にオンライン商談会の要望を出したい」と手応え。「酒類の場合は試飲ができないデメリットはあるが、海外からバイヤーを招く経費もかからず今後主流となっていくのでは」と予測した。
 ジェトロ青森の統計によると、2018年の県産品輸出総額は約244億円。ジェトロ青森貿易情報センターの木村慶一所長は、このうち9割を農水産品と食品が占めることや、インバウンド減少に伴う県産品の売り上げ減少を指摘し、「より幅広い業種の県内企業にオンライン商談会に参加してもらい、海外販路拡大に取り組んでほしい」と期待。ジェトロは中国国内各地に事務所を構えていることから、「現地バイヤーのニーズをくみ取り、われわれも県産品の市場開拓に協力していきたい」と話した。