弘大病院では全国での緊急事態宣言解除後も、すべての来院者への検温と入出時間の制限を継続。新しい生活様式に合わせた工夫も検討していく

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言が全面解除されたが、第2波、第3波への警戒、備えが求められている。こうした中、弘前大学医学部附属病院(大山力病院長)はすべての来院者に対する検温、入出時間の制限といった独自の感染拡大防止対策を6月以降も継続する。地域医療の「最後の砦(とりで)」として院内感染を防がなければならず、患者同士のソーシャルディスタンスの確保など、新しい生活様式に合わせた病院の利用方法も模索していく考えだ。
 対策の継続は、院内感染を徹底的に防ぐとともに、患者や医療従事者の安心安全につなげるのが狙い。28日に明らかにした。
 弘大病院ではこれまで、感染防止対策として、患者や付添人(原則1人に制限)らに来院前の検温を周知してきたほか、今月11日からはすべての来院者を検温するためにサーモグラフィーを導入。正面玄関の解錠時間も制限し、水際対策を強化してきた。
 サーモグラフィーでは、11~27日の外来受付患者(実数)1万3548人のうち、38人に37・0度以上の発熱が確認され、2次検温で1人が37・5度以上だった。新型コロナ感染の恐れのある人はいなかったものの、「患者や医療従事者の安全安心につなげられた」(弘大病院担当課)とする。
 入場時間制限による影響としては、正面玄関前に毎朝、80人前後の行列ができたことが課題となった。診療予約時間に合わせた来院を周知してきたが、診療前の採血や検査があるため、早めに受け付けを済ませようとする患者がいたことも要因と考えられる。
 「解錠時間を早められないか」といった意見が寄せられたため、弘大病院では全国の大学病院などの状況を参考に、6月からは解錠時間を午前7時に繰り上げて対応することに決めた。
 一方、弘大病院は高度救命救急センターで3次救急医療を提供するなど、地域医療の「最後の砦」としての役割を担う。昨年度の1日当たりの平均外来患者数は1600人を超えており、待合室などは連日、患者や付添人らで混雑しているのが現状だ。
 弘大病院は今後も感染防止、予防対策を徹底していく考えで、患者同士のソーシャルディスタンスを保つための工夫といった、新しい生活様式に合った病院利用についても検討を深めていく方針だ。
 弘大病院医事課の奈良正裕課長は来院者に向け、「検温を実施してからの来院や、朝の行列や密を避け待ち時間を減らすため可能な限り予約時間に合わせた来院を心掛けてほしい」と協力を呼び掛けている。