財務省が28日発表した貿易統計によると、2019年産国産リンゴの累計輸出量(昨年9月~今年4月)は3万794トンに上り、初の3年連続3万トン超えとなった。3万トン達成は5回目。春節(旧正月)の贈答需要に向けた大きな荷動きや新型コロナウイルスによる家庭需要が輸出を支えた。
 取引期間は9月~翌年8月。輸出量の約9割は本県産とされる。累計輸出金額は6年連続100億円超えの123億7300万円。
 取引序盤に出回った高品質リンゴの引き合いの強さをそのままに主力品種「ふじ」へと切り替わり、1月25日の春節の贈答用に輸出量は昨年11~12月に大きく動いた。例年よりも早く春節を迎えたが、新型コロナによる家庭需要で春節後の落ち込みをカバーした。
 新型コロナの影響が懸念されたが、県国際経済課の鈴木耕司課長は「巣ごもり需要が輸出量を安定させ、良い数字となって表れた」と話した。
 台湾や香港での需要は家庭消費や黄色品種の人気を背景に緩んでいないが、南半球産への切り替えや在庫量の少なさが響き、取引終盤までのさらなる上乗せは難しい見通し。年間輸出量3万2000トン弱、年間輸出金額130億円弱が見込まれる。
 贈答中心だった国産リンゴに家庭需要も見られたことから、県や関係団体は今後、春節後の認知度向上や赤系品種の中・小玉販売の確立などに取り組み、県輸出・海外ビジネス戦略で掲げる年間目標量4万トンを目指す。
 国・地域別の累計輸出量を見ると、タイが前年同期比11%増の1137トン、シンガポールが同24%増の284トンに上り、4月時点で過去最高を更新した。