県産花きの購入を呼び掛ける県職員

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴うイベント中止や冠婚葬祭の規模縮小などで、県産花きの需要が鈍っている。品種によっては前年同時期の半値近くまで下回り、このまま価格安が続けば夏場の需要期に影響を与える恐れもある。関係団体はフラワーアレンジメント贈呈や販売促進キャンペーンを通じ、消費意欲を喚起させる取り組みを進めている。
 全農県本部によると、新型ウイルスの感染拡大後に卒業式や総会、結婚式などが中止・規模縮小されてイベントや冠婚葬祭用への需要は落ち込んだものの、彼岸需要で3月の価格は維持された。ただ、政府が緊急事態宣言を出した4月7日以降、東京都内の生花店が休業するなど全国的に出荷先が減り、価格が急落した。
 4月の同本部取扱額は、県産花き全体の価格が1本44円と前年同月比で28%安。特に影響を受けたのはアルストロメリアで、4月中旬には前年同期比43%減の34円まで下がった。5月中旬には「母の日」需要から同3%高の70円まで回復したものの、それも長くは続かなかった。
 県内でも生産額が大きいキクは、盆や秋彼岸の供物用として夏場に最も需要が高まる。生産額は2億9000万円(2018年産)に上るが、贈答用や鑑賞用に使われることはほぼないため、花きの価格低迷が需要期まで続けば、生産者の収入に打撃を与えてしまう。
 関係団体は需要回復に向けた取り組みを展開している。JAグループ青森は、休業中の県内宿泊施設・飲食店など110団体以上に無料でフラワーアレンジメントを贈る運動を6月末まで実施。店内で展示し、休業店を応援すると同時に来店者に見てもらうことで「生花店で購入しようという相乗効果を生み出したい」(県農協中央会)考え。
 花きのPR活動をする「県花のくにづくり推進協議会」は、県産花きを使ったアレンジメントを割安価格で購入できる販売キャンペーンの開催回数を例年よりも増やし、消費拡大を促す。
 県農産園芸課は「イベントや冠婚葬祭の自粛から、自宅で飾る機会がないと県産花きの消費機会がなくなっている」と現状を説明し、普段から購入してもらうことで「例年の価格に戻っていってほしい」とした。