石田社長(左)からマスクの寄贈を受ける今村会長

 新型コロナウイルスの感染有無を調べるPCR検査に特化した「地域外来・検査センター」の弘前市内への設置を目指し、市医師会(今村憲市会長)が準備を進めている。開設に当たっては、全国的に不足する医療物資の確保も課題の一つだが、北海道函館市の業者の協力もあって独自ルートで必要物資を確保でき、早期設置に期待がかかる。
 PCR検査を実施するためには、患者が保健所に相談し、保健所が必要性を認めた場合のみ、専門の外来を受診し検査する流れとなっている。本県の場合、採取された検体は県環境保健センター(青森市)が唯一、行政検査を担っている。
 市医師会は医療機関の受診者の中で、医師がPCR検査が必要と判断した患者がいた場合のみ、医師の判断で利用できる仕組みでの設置を目指している。地域の医師の負担軽減につなげる狙いがある。実施方法はドライブスルー方式を検討。行政検査が円滑に行われるようにする観点から、設置場所や連絡先は原則公表しないことになっている。
 一方で、設置に当たり課題の一つとなっていた医療物資の確保には光が見えてきた。函館市で株式会社SHINSEIKIを営む進藤煕怡会長が、弘前市出身だったことがきっかけで、国産の防護服とフェースシールド各1000枚、N95マスク1万枚を通常価格で確保できたという。
 こうした取引が縁となり、21日夜には進藤会長と同社の石田友子社長が市医師会を訪れ、マスク2000枚を寄贈した。
 進藤会長は新型ウイルスの影響で通常業務が困難な中、「今できることとして、まずは出身地の弘前で何かしたいという気持ちがあった」とし、石田社長も「こういう時だからこそ、ご縁を大切にしたい」と話した。
 今村会長はマスクの寄贈について「医師会の活動に使わせていただきたい」と感謝し、センター設置については「全国的に新型ウイルスは収束してきたとはいっても、何らかの症状のある患者はいる。第2波が来た時の備えにもなる」とその必要性を強調した。