県内独自大会の開催に望みをかけて練習に打ち込む弘前工業高校の野球部員=20日午後5時45分ごろ

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、20日に中止が決まった全国高校野球選手権大会と県大会。夏の甲子園出場という、最大の夢が断たれてしまった球児たちや指導者は「残念だ」と一様に肩を落とした。県高野連が独自大会の開催を含めた対応を検討していることには「ありがたい」「一安心」と、夏の舞台に向け望みをつないでいた。
 弘前工業高校の内山玲央主将(17)は「自分たちの目標は県代表になることだった。甲子園がなくなってしまったのは残念」と伏し目がちに語った。滝渕安弘監督(52)は「部員たちは、学校生活を野球にささげている」とした上で、公式戦などが検討されていることについて「3年間頑張ってきた結果を出せる大会に向かって進んでいけるのであれば、ぜひとも開催してほしい。現場としてもできる限りの協力はしたい」と前を向く。新型ウイルスの第2波、第3波への懸念は拭い切れないため「夏までの2カ月、水を差すようなことにならなければ」と願った。
 弘前東高校の葛西徳一監督(34)は「甲子園を目指してうちに入ってきてくれた子たちに、慰めやきれい事は言えなかった。自分も部員も涙ぐんでしまった」とやりきれなさを語った。青森市の親元を離れ、下宿生活を送りながら野球に打ち込んでいた山口一道選手(18)は「甲子園に行くため、親に頭を下げて入った学校だった。小さい頃から一番の憧れだったが…」と、悔しさを言葉にできない様子だった。「難しい状況の中、県高野連が代替大会を前向きに考えてくれているのはありがたいこと」と望みをかけ、葛西監督も「これまでに県大会で準優勝が4回。今年こそは一番になるため、この状況で変わることなく指導する」と力を込めた。
 聖愛高校の原田一範監督(42)は「今の3年生は県大会決勝で2年続けて光星(学院高校)の胴上げを見て悔しい思いをしており、今年こそはと頑張ってきた。挑戦できなくなり、選手も自分も非常につらい」と口にした。代替試合が行われる可能性については「甲子園で優勝するという目標は達成できなくても、県大会で優勝するという新たな目標ができた」とし、「チーム一丸で努力していきたい」と気持ちを切り替えた。