新作を手に「パソコンの画面などで手軽に切り絵を見ることができるので、ぜひ」と話す青柳さん

 平川市の切り絵作家青柳省吾さん(49)=八戸市出身=は、映画俳優や登場キャラクターを題材にした切り絵作品を「ちょきちょきシネマ」シリーズとして、自身のフェイスブックやインスタグラムで無料公開している。活動を始めた2007年から現在までに手掛けた約210点を紹介しており、青柳さんは「より多くの人に作品を見てもらいたく、SNS(インターネット交流サイト)で“アーカイブ”を作ってみたので、じっくり鑑賞して」と呼び掛けた。
 青柳さんは、東京都で働いていた時に「何となく」で切り絵を始め、その奥深さに魅了されていった。中学生の頃から映画が好きで、大学では映画学を専攻しており、自然と映画俳優を多く切り絵にしたという。作品は東京・銀座の映画館で常設展示されており、平川市に移住後は弘前市で個展を開き、今では切り絵のワークショップの講師も務めている。
 作品がフリーペーパーの表紙を飾ったり、俳優本人の元に扱った作品が渡ったりしたこともあった。青柳さんは「舞台あいさつで映画館に来たスイスの女優さんの手に切り絵が渡り、喜ばれた時もあったが、こんなに注目されるとは思わなかった」と喜ぶ半面、「個展や合同展は距離やスケジュールの問題で見たくても見られない人がいるし、すでに差し上げてしまって実物がない作品もある」といった悩みも出てきたという。
 管理目的で全作品をデータ化していた青柳さんは「新型コロナウイルスの影響で在宅時間が多くなっている今を機会に、いろいろな人が見ることのできる場を作ろう」とSNSでの公開を決めた。
 作品は数十分で完成するシンプルなものから、色が異なる十数枚の紙を用い、2週間ほどかけて仕上げる緻密なものまでさまざま。「犬神家の一族」の、湖から2本の足が突き出ているシーンといった「多くの人が分かる名場面」のほか、青柳さん自身が引き付けられた“お薦めシーン”も切り絵にしており、青柳さんは「元ネタとなる映画を見て『あっ、この場面ね』などと見つけてくれれば、切り絵と映画の両方を楽しめる」と、「ちょきちょきシネマ」シリーズならではの魅力を語る。
 青柳さんは、12月から来年10月まで台湾で開かれる日本と台湾の切り絵の交流展に作品を出す予定で、「紙とハサミ、カッターさえあれば誰でもでき、言葉や国籍関係なく楽しめるのが切り絵。SNS内のデータは増やしていくつもり。拡大し細部も確認できるので、自分で作ってみたい俳優や場面を見つけたらどんどん挑戦してみて」と話した。