小泊漁協が取り組んでいるマツカワガレイの陸上養殖試験。新たにLEDを使い、成長の早期化を図る(写真は19年10月撮影)

 中泊町の新たな特産品にしようと、マツカワガレイの陸上養殖試験に取り組んでいる小泊漁業協同組合(成田直人組合長)は、新たな試みとして緑色の発光ダイオード(LED)光源を使った試験を行う。緑色の光を当てることでマツカワガレイの食欲が増すという研究論文に着目したもので、関係者は「成長の早期化でコストカットが図られれば、より安定した収入につながるのでは」と本格養殖に向け結果に注目している。
 陸上養殖試験は町の主要魚種であるスルメイカの不漁が続く中、育てる漁業として病死が少ないことなどを踏まえ高級魚のマツカワガレイに注目。町の補助金を受け、県産業技術センター水産総合研究所と共同で2018年11月に稚魚500匹の養殖を開始した。
 自然の海水を使っていたため、どれだけ成長するか不安だったというが、1年間で予想を上回る成長を見せ、19年11月に東京都と兵庫県の飲食店4店舗で開いた中泊フェアで、カルパッチョなどにして試験提供したところ、大好評だった。
 昨年9月に2年目の試験(500匹)がスタート。緑色の光でマツカワガレイが食欲を増し、自然条件下より短期間で成長するかを確かめる。研究論文によると、光熱費や人件費などのコストも約20%削減でき、味や品質も自然条件下での飼育と変わらないという。
 成田組合長は「今回の取り組みでコストを下げられることが分かれば、本格養殖へより大きな期待が持てる」、試験提供で自らマツカワガレイをPRした濱舘豊光町長も「多くの人においしいと言ってもらえ、需要があることが分かった。コストを抑え安定した生産体系が確立されれば、新たな収入源として若い人たちが養殖事業をはじめとした漁業に取り組むようになり、定住にもつながっていくのでは」と期待した。