看板商品のあんぱん。自家製のあんに柔らかな皮が特徴的なこだわりの一品だった
店の玄関には閉店を知らせる張り紙が掲示されている

 江戸時代創業と伝わる、板柳町板柳の老舗菓子店・川口あんぱん(川口健栄代表取締役)が4月末に閉店していたことが、18日までに分かった。自家製のあんを柔らかな皮で包んだ「あんぱん」などで有名だが、原料の小豆の高騰や、新型コロナウイルス感染拡大の影響などによる業績の落ち込みが響いた。
 同社は1713(正徳3)年創業とされ、当初は主に米や雑貨を取り扱っていたという。看板商品のあんぱんは1880(明治13)年から製造を始めた。川口代表取締役(77)によると、全て国産の小豆を使い、店の敷地内であんを製造。着色料なども使わないといったこだわりが光る店だったが、2、3年前から国内の主な産地である北海道の小豆の値段が高騰。消費者の嗜好(しこう)の変化などもあり、最近の売り上げは全盛期の7割近くに落ち込んだ。
 消費増税による包装紙などの仕入れ額上昇、新型ウイルスの感染拡大による自粛ムードの高まりといった逆風も重なり、4月末で歴史に幕を閉じた。
 厳しい状況でも大きな値上げはせず、来店客を迎えてきた同店。閉店が決まった後に訪れた人もいるといい、多くの人々に親しまれてきたことが伺える。川口代表取締役と妻の啓子さん(72)は「残念だが、今までお客さまに支えられてきて、本当にありがたい」と述べた。