「三味線がスコップになっていたり、マイクがナスに変わっていたりと、映像ならではの遊び心も加えている」と語る佐藤さん

 弘前市の作曲家佐藤生朗さん(51)は、自身が作詞作曲した「今日もどこかで」のスペシャルバージョンのミュージックビデオ(MV)を作成、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。津軽地方の音楽家やねぷた絵師ら約30人が協力しできた作品で、佐藤さんは「新型コロナウイルスの影響で心がすさんでしまう今だからこそ、『ありがとう』を伝える曲を届けたかった。みんなの思いが一つになってできた作品」と話した。
 佐藤さんは「ねぷた祭りも中止になり、音楽だけでなくさまざまなことが制限された。そんな状況だからか急に思いが込み上げてきて」地元の音楽家らに声を掛け、1日にMV制作を開始、6日に完成させた。
 レコーディングや撮影は「密な状態をつくらないように」別々に行われ、寄せられた映像と音を編集した。映像には佐藤さん、弘前市吹奏楽団のメンバー、歌手の今千里さん、津軽三味線奏者の渋谷幸平さんら地元の音楽家や弘前第三中学校の吹奏楽部員らが演奏する姿のほか、「相撲の四股踏みには、邪気を払い、地を清める意味があるから」と田舎館相撲クラブのメンバーらが四股を踏む場面なども盛り込んだ。
 MVは8日から公開しており、出演者の一人で同市のサックス奏者今●志さん(68)は「佐藤さんの思いに共感して参加した。完成映像を見るまで誰と共演しているのか分からない状態での演奏は初めてで楽しかった。いろいろな立場の『ありがとう』が詰まっているすてきな作品」と語った。
 「今日もどこかで」は東日本大震災の年に手掛け、弘前市の歌手オダギリユタカさんに提供した曲。佐藤さんは「電気がつかない中作った曲で、MV制作をいろいろな人に呼び掛けた後に『このメンバーならあの曲しかない』とカバーを決めた」と振り返り、「(MVを見た人からは)『ほっこりした』『元気出た』といった感想もいただき、このメンバーで曲と映像を作って、本当に良かったと実感した」と笑顔を見せた。
 「『今日もどこかで』~2020 TSUGARU Special Ver.~」は5分47秒。
※●はまだれに黄

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