本県では毎年1~4月に漁期を迎えるヤリイカ。その主要漁場である本県日本海側で、今年の漁獲量が激減していることが、県産業技術センター水産総合研究所(平内町)の調べで分かった。本県日本海側の全漁獲中、多くを占める鯵ケ沢(鯵ケ沢漁協)と大戸瀬(新深浦町漁協大戸瀬本所)の1~4月の定置網、底建網の漁獲量は合計約260・8トンで、前年同期391トンの66・7%、5カ年平均445・7トンの58・5%といずれも大きく下回り、2015年以降最低となった。両漁協からは今後の漁協経営や漁業者への影響を懸念する声が上がっている。
 同研究所の野呂恭成総括主幹研究専門員によると、不漁は、漁期に日本海の海水温が高温で推移し、ヤリイカが産卵のために好む適温9~10度となった津軽海峡方面に移動したことが原因。このため津軽海峡と本県太平洋側の漁獲量が、日本海側を大きく下回るものの、前年の倍以上という現象が起きている。
 本県日本海側で水揚げされるヤリイカには①本県日本海側~同太平洋側を移動する群(12~2月)②北陸方面~本県日本海側~同太平洋側を移動する群(3月以降)―の二つがあるが、特に②が主となる3月以降は漁獲量の落ち込みが激しく、同月中旬以降は10トンを下回っている。
 昨年1年間の県全体のヤリイカ漁獲量はピーク時の4分の1程度の1015トンだった。日本海側10漁協の今年1~3月の漁獲量は前年同期を約3割下回る318トンで、今後集計される4月分と合わせた漁獲量も懸念される。
 鯵ケ沢漁協では「昨年は全漁獲高がこの10年で最低の4億500万円となり、このうちヤリイカが6割だった。今年は2月に入ってから、ほとんど水揚げがない」と先行きに不安を募らせた。新深浦町漁協は「これまでヤリイカは金額にして全体の2割を占めていたが、今年の漁獲量は過去最低レベル。漁業者が困り、漁協には販売手数料が入らず経営にも影響が出てくるのでは」と懸念を示した。

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